医療クラークとは?仕事内容や年収、他職種との違い、必要性を徹底解説

医師の長時間労働が問題視されるなか、2024年4月から医師の働き方改革が施行されました。
医師の業務効率化推進のためにも、文章作成や入力作業など、医療クラークが担える役割は多くあります。
本記事では、医療クラークの仕事内容や他職種との違い、必要性や選考のポイントを解説していきます。
医療クラークの仕事内容と年収

医療クラークの仕事内容には、どのようなものがあるのでしょうか。まずは仕事内容と年収について解説します。
- 医療クラークの仕事内容を教えてください。
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医療クラークの仕事内容は、医師の診療補助や文章作成などです。
具体的には以下の業務を医師の指示のもと行います。
- 電子カルテの代行入力
- 患者情報の整理
- 検査オーダー入力
- 医療文書の作成
- 患者案内(検査説明・次回予約案内・入院手続き説明など)
入院施設を持つ医療機関であれば病棟クラーク、クリニックなどの外来での業務がメインの場合は外来クラークと呼ばれ、医師がスムーズに診療を行えるようサポートします。
クリニックでは、医療事務が受付や会計業務と兼任して、医療クラークの業務を行う場合も少なくありません。
- 医療クラークの平均的な年収はどれくらいですか?
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医療クラークは、医療事務の仕事のひとつに含まれるため、一般的な医療事務の年収と大きく変わりません。
厚生労働省のデータによると、平均年収は478.3万円と発表されています。
ただし現状では、医療クラークは正社員だけでなく契約社員やパートで雇用されることが多いという傾向もあります。地域や勤務先によっても給与の差はあるため、年収の幅があることは念頭に入れておきましょう。
医療クラークと医療事務、看護助手の違い
ここでは、医療クラークと医療事務、看護助手の違いについて解説します。
- 医療クラークと医療事務の違いを教えてください。
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医療クラークは医療事務の仕事内容の一部なので、職種が異なるわけではありません。
医療事務の仕事内容は、受付や診療費計算、病棟事務など多岐にわたりますが、そのうちのひとつに医療クラークが含まれます。
- 医療クラークと看護助手の違いを教えてください。
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医療クラークと看護助手ではサポートする対象が異なります。医療クラークは医師のサポートを行う職種で、看護助手は看護師のサポートを行う職種です。
そのため、医療クラークは医師の指示のもと業務を行い、看護助手は看護師の指示のもと業務を行います。医療行為を行わないという点では、医療クラークと看護助手は共通しているといえるでしょう。
医療クラークの必要性
医師の働き方改革を推進するためにも、医療クラークの必要性は高まっています。次は、その理由について解説します。
- 開業するにあたって医療クラークを採用するかどうか悩んでいます。採用するメリットを教えてください。
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医療クラークを採用するメリットは、医師の労力を軽減できる点にあります。
2024年4月より医師の働き方改革の新制度が施行され、医師の長時間労働がより問題視されるようになりました。そのような状況で医療クラークの存在は、医師の業務効率を上げるのに効果的です。
クリニックであれば、医療クラークに指示を出して、診断書や各種証明書などの書類作成、電子カルテの入力代行、予約取得などを任せられます。
医療クラークが電子カルテの入力を代行すれば、医師は患者さんと向き合って診察できる時間が増えるはずです。医師と話ができる時間が増えることは、患者さんにとって診療の満足度向上につながるでしょう。
- 医療クラークの配置人数の目安はありますか?
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医療クラークの明確な配置人数の決まりはありません。
しかし、病院や有床診療所など入院設備がある医療機関の場合は、診療報酬の「医師事務作業補助体制加算」に応じた人員配置が目安になります。
入院設備がないクリニックの場合は、診察する医師の人数分配置することで、診療補助や文章作成が効率よく行えるでしょう。
例えば、3つの診察室で3人の医師が同時に診察をする場合、クラークを1人ずつ配置すれば業務の効率化につながります。
医療クラークの採用と選考

医療クラークは医療事務の仕事内容であるため、医療事務として募集をかけると採用につながりやすいといえます。選考の際のポイントも紹介するので、参考にしてみてください。
- 医療クラークはどのように採用すればよいですか?
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医療クラークは、仕事に従事するために特別な資格は必要ありません。ホームページや求職サイト、ハローワークの求人へ掲載して募集をかけましょう。
ただし、医療クラークに限定して募集すると、申し込みが少なくなってしまう可能性があります。
募集要項にクラーク業務が含まれることを明記し、大きな括りとして医療事務で募集して応募数を確保するのがおすすめの方法です。
募集要項には、クラーク業務のイメージがつくように仕事内容を記載するとよいでしょう。
- 医療クラークを選考するポイントを教えてください。
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医療クラークに限りませんが、経験者を採用したほうが業務効率化は進みやすいといえます。
とはいえ、医療事務の仕事内容は幅広く、医療事務経験はあるものの医療クラークは未経験という方は少なくありません。医療クラークの経験者をピンポイントで探すのは、難易度が高いのが現状です。
そのため、受付や会計計算など医療事務経験を持つ人を採用し、クラーク業務の経験を新たに積んでもらう方法を検討してみてください。医療クラークの仕事だけではなく、受付や会計まで任せられる人材を確保できれば、スタッフ間での連携も強化できます。
未経験者のなかから選考する場合は、患者さんや医療従事者とコミュニケーションが取れる方、パソコン操作に慣れている方を優先的に選考するのがポイントです。
医療クラークを根気強く育てる意識を持ち、タスクシフトの業務フロー作成など、採用する側もしっかり準備しましょう。
編集部まとめ
今回は、医療クラークの仕事内容や他職種との違い、必要性や選考のポイントを解説しました。
クリニックで大勢の医療クラークを雇うのは難しいこともあるでしょう。
受付や会計計算などの医療事務経験を持つ人を採用し、クラーク業務の経験を積んでもらう方法も視野に入れることがおすすめです。
医師の働き方改革を推進するためにも医療クラークの必要性は高まっており、医療クラーク導入に関する診療報酬加算の引き上げがあったことから、国も後押ししてる動きがみられます。
病院やクリニックの規模に合う方法で、医療クラークの採用を検討してみてください。