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医師の平均年収はどれくらい?働き方の違いや増やし方を解説!

                   
投稿日: 2024.01.17
更新日:2024.03.06
                   

同年代の医師と比べて、「自分の年収は低いのだろうか」と気になっている方もいらっしゃるでしょう。勤務内容や勤務日数は医師によって異なるため、全国各地の医療現場の実態を把握するのは難しいかと思います。

そこで本記事では、年代や性別・地域・診療科目・経営母体などによって異なる平均年収をそれぞれ紹介していきます。記事後半には年収を上げるための方法も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

医師の平均年収

医師の平均年収

厚生労働省では毎年、雇用されている労働者の雇用形態や職種、性別、年齢、勤続年数、経験年数などを分析して賃金の実態を調査しており、これを賃金構造基本統計調査といいます。

2022年の医師の平均年収は、男女合わせて1428万円となっています。

では、年代や性別、診療科目によって平均年収にはどのような変化があるのでしょうか。

年代別の平均年収

2022年の賃金構造基本統計調査によると、年代別の医師平均年収は20代後半で696万円、30代前半で969万円、30代後半で1420万円、40代前半で1474万円、40代後半で2005万円でした。

また、50歳を過ぎると少しずつ平均値が下がり、50代前半で1817万円、50代後半で1881万円、60代前半で1824万円、60代後半で1846万円となっています。

これらのことから、30代後半では1000万円を超えるケースが多く、40代後半までは年齢を重ねるにつれて平均年収が高くなっていくことがご理解いただけるでしょう。

教授や院長・副院長といった役職に就くことが多い50代には年収のピークを迎え、体力的にも厳しくなってくる60代以降は勤務時間の減少と共に、年収も徐々に下降していきます。

男女別の平均年収

続いて、男女別の平均年収を見ていきます。2022年度の男性医師の平均年収は1514万円、女性医師の平均年収は1138万円です。

日本では労働基準法第4条で「男女同一賃金の原則」が定められており、勤務先や年齢、勤続年数、役職、診療科目、働き方などの調査項目に違いがないなら、給与に400万円ほどの差が出るのはおかしいといえます。

それでも男女で年収に差が出てしまうのは、女性医師の平均年齢が男性医師よりも6.9歳若いこと、男性医師の割合が多く、その分給与の高い役職に就く男性医師が多いこと、子育てや介護などで時短勤務をしている女性医師の割合が多いことなどが、理由として挙げられます。

また、育児や出産といったライフイベントによって勤務時間や日数が制約されるため、男性医師よりも平均年収が低くなってしまうのです。

診療科別の平均年収

では、診療科別の平均年収はどうでしょうか。

外科・内科・他科で分類すると、働き方の違いや働く時間の長さ、求められる治療難易度などから、外科的分野の医師の平均年収が高いことがわかっています。

その次が内科分野、他科分野となっています。より詳しく科を分けるとするならば、平均年収が高いのは脳神経外科の1480万円です。そこから、産科・婦人科の1466万円、外科の1374万円、麻酔科の1335万円、整形外科の1289万円と続いていきます。

内科分野で平均年収が高いとされているのは循環器内科や呼吸器内科で、1267万円が平均値となっています。さらに、精神科では1230万円、小児科では1220万円、救急科では1215万円、放射線科では1103万円となっています。

もちろん医師の年齢や勤続年数によって異なりますが、一つの指標として参考にしてみてください。

地域別の平均年収

現在、日本では全国的に医師不足が続いています。

特に、高齢者の数が多く医療機関の少ない地方は深刻な状況です。このような地域では、医師の数を増やすべく高水準の年収を設定する傾向があるため、都市部よりも地方のほうが、平均年収が高くなるといわれています。

どうにかして年収を上げたいという医師の方は、都市部だけでなく郊外や地方の医療機関の求人も視野に入れてみると良いでしょう。

都市部の平均年収

ここからは都市部の平均年収をご紹介します。2022年の賃金構造基本統計調査によると、東京都で働く医師の平均年収は994万円となっています。

また、大阪府では1167万円、福岡県では920万円です。もちろん東京都にも離島やへき地があるため、医師の数が少ない地域や年収が高めの地域もあります。

ただし、年収が高くなる背景には、医師一人あたりが担う業務量が多かったり、労働時間が長くなったりしている場合があるということを頭に入れておきましょう。

地方の平均年収

先ほど、都市部よりも地方のほうが、平均年収が高い傾向にあるとお伝えしました。実際、2022年の賃金構造基本統計調査での都道府県別・医師の平均年収トップ3は、山口県の2164万円、福島県の1684万円、鹿児島県の1631万円となっています。一方で、鳥取県・和歌山県・富山県が平均年収ワースト3を占めているため、必ずしも地方であれば年収が高いというわけではありません。ただし、地方のほうが家賃や物価は安く、貯蓄がしやすいというメリットがあります。

経営母体別の平均年収

医師の平均年収は、経営母体によっても大きく差が出ます。順位にして見てみると、公益法人や学校法人が母体となっている医療機関は平均年収が1535万円と最も高く、その次が医療法人などの民間病院です。さらに、大学病院や国立病院はより年収が低くなる傾向にあります。ここからは、それぞれの母体別の平均年収を詳しく説明していきます。

大学病院・国公立病院の平均年収

大学病院の年収相場はほかの母体の医療機関よりも低い傾向にあります。中でも、国立大学病院は特に低く、研修医や新人医師の場合は民間病院よりも100万円以上も低いといわれています。大学病院や国公立病院で働く医師の年収がなぜ低いのかというと、これらの病院は「利益率にとらわれない医療を継続する役目」を担っているからです。大学病院では、実際の診察や治療はもちろんのこと、医師の教育や研究も行われています。また、国公立病院では不採算性医療や政策医療が行われているため、利益は少なく在籍している医師の数は多いという状態になっているのです。ただ、年収が低い一方で、先進医療や研究などに携われるというメリットがあり、資格取得もしやすい傾向にあります。さらに、公務員・準公務員としての福利厚生も手厚く、退職金は規程に基づいて支給されるという特徴があります。

民間病院の平均年収

大学病院などで働く医師の平均年収が1000万円を切るのに対し、民間病院などで働く医師の平均年収は1506万円と高い水準にあります。勤務医として高い年収を得たいと考えているならば、民間病院で働くことをおすすめします。ただし、民間病院は、大学病院や国公立病院とは違って利益率を重視している医療機関が多く、医師やスタッフの数が制限されて、一人で対応する範囲や担当患者数が多くなるということを理解しておきましょう。

開業医の平均年収

2019年に行われた第22回医療経済実態調査によると、開業医の平均年収は2763万円となっています。勤務医の平均年収が1491万円のため、開業医は2倍近くの収入を得ることができると考えられます。しかしこの収入のすべてを自由に使えるわけではなく、開業資金の返済や医療機器の購入費、家賃や人件費の支払いなど、医院を存続させるための費用として使用しなければなりません。また、医院を経営していくという面でも大きなリスクがあります。

フリーランス医師とは

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皆さんは「フリーランス医師」をご存じでしょうか。特定の医療機関にこだわらず、複数の医療機関や企業に所属して働く医師のことを指します。医師としてのスキルアップや経験を積める、短期間で収入アップが見込める、組織での人間関係トラブルなどと縁がないというメリットがある一方で、安定した収入を得られない、医療ミスやトラブルを起こしてしまった際の責任が重い、人生設計を立てにくい、学会や医療技術取得のための経費に出費がかさむといったデメリットもあります。

フリーランス医師の平均年収

週5日働いた給与と研究費や交通費、税金などを合わせると、フリーランス医師の平均収入は約2000万円となります。税金を支払ったり稼働日数がこれよりも少なかったりする場合は、もちろん年収も下回ります。

定期非常勤

フリーランス医師の働き方にも種類があります。まずは「定期非常勤」について紹介します。定期非常勤は、「週4日」「1日6時間」などと曜日や日時を決めて働くタイプです。稼働時間や曜日を事前に決めることができるため、家事や子育てといったライフスタイルに合わせて働くことができます。中には、開業医として独立する前に、定期非常勤として働いている方もいます。また、定期非常勤は収入が安定しやすいというメリットもあります。

スポットバイト

スポットバイトとは、「1日○時間○円」と単発で働くタイプのフリーランス医師を指します。1カ月に決まった給与を得ることは難しいですが、時給の高い案件が多い傾向にあります。そのため、「短期間でまとまった給与が欲しい」という方におすすめです。さらに、定期非常勤とスポットバイトを併せて行う働き方もあります。例えば、「週3日は定期非常勤、週1日はスポットバイト」など、自由にカスタマイズできます。

医師が年収をあげる方法

ここまでは、あらゆる観点から医師の平均年収について解説してきました。医師という職業は会社員などに比べて高収入を得やすいですが、より収入アップを目指すにはどうすれば良いのでしょうか。年収を上げるための方法を3つ紹介します。

医師不足の地域や医療機関に転職する

平均年収が低いとされている東京都や大阪府といった都市部でも、中心部を離れると医師不足に陥っていて年収水準が高めに設定されている地域は意外とあります。医師が少ない地域や足りていない医療機関は医師の需要も高く、地域の方々に必要とされるでしょう。そうした場所で働くことは自然とやりがいにもつながっていきます。

民間病院に転職したり、アルバイトする

大学病院や国公立病院で勤務している場合は、民間病院に転職するのが、年収を上げるための近道といえます。利益をあまり求めず非採算領域で診療を行っている大学病院などとは異なり、利益を上げることを重要視している民間病院には、黒字傾向の医療機関が多くあります。一人で受け持つ患者さんの数は増えますが、その仕事量はしっかりと年収に反映されるでしょう。すでに年収の高い医療機関で働いていて年収アップを狙う場合は、アルバイトをするという選択肢もあります。都市部ではアルバイトの求人が豊富ですし、常勤先と異なる医療を経験できるため、自身のスキルアップも図ることができます。なお、初期臨床研修医や公務員だったり、アルバイトが禁止されている医療機関に勤めていたりする場合はこの方法が採用できないため注意しましょう。

開業する

開業医は勤務医よりも年収が高い傾向にあると前述しました。ただし、開業には経営の知識や多額の資金が必要になるため、若いうちは勤務医として働き、ある程度の年齢になったら開業するというケースがほとんどです。開業するまでの準備期間の中で、開業したいと考えている地域の患者層やニーズを把握し、それに対応した知識や技術・資格などを取得しておくことも大切です。開業するには勤務医にはないリスクを背負うことになりますが、自分次第で年収が大きく伸びるという可能性を秘めているのは大きな魅力といえるでしょう。

まとめ

医師の年収についてまとめましたがいかがでしたでしょうか。年収は、勤務先を選ぶ際に大切な要素の一つです。ただ、だからといって年収だけで診療科目や勤務先を決めてしまっては、患者数の多さや求められる専門性の高さにプレッシャーや精神的ストレスを感じて長く続けられないというケースに陥ってしまう可能性があります。ご自身の性格や働くうえでの目標、理想の働き方に合っているかどうか、やりがいや存在意義を感じることができるかどうかをしっかりと見極めるようにしましょう。