整形外科の内装は安心感が鍵!整形外科ならではの内装設計のポイントを解説
整形外科クリニックを運営するうえで、内装デザインは患者さんに与える印象や満足度を左右する重要な要素です。クリニックの快適さや清潔感が患者さんの不安を和らげ、リラックスして診察を受けられる環境につながります。
本記事では、整形外科ならではの内装設計のポイントについて、患者さんに安心感を与える内装の重要性から整形外科特有の工夫までわかりやすく解説します。
整形外科における内装の重要性

はい、整形外科の内装デザインは患者さんのクリニックに対する印象や居心地のよさを左右し、結果的に満足度にも直結します。特に整形外科では、足腰に不安を抱える患者さんが多く、配慮に欠けたないそうだと「通いにくい」「もう来たくない」というマイナス印象を与えかねません。
逆に、清潔で明るく快適な空間は患者さんの不安を和らげ、安心して診察やリハビリを受けられるため、満足度向上に寄与します。内装が快適であれば待ち時間のストレスも軽減され、リラックスした気持ちで治療に臨めるため、クリニックの評価や再診率にもよい影響を与えるでしょう。
安心感は、患者さんの不安を和らげ、信頼関係を築くためによい影響を与えます。
整形外科を訪れる患者さんは、痛みやケガへの不安、治療への緊張感などさまざまな悩みを抱えている場合が多いので、少しでも患者さんが安心してリラックスできる環境を整えることが求められます。
整形外科ならではの内装設計のポイント

整形外科クリニックの内装で押さえておきたい主なポイントは次のとおりです。
| 項目 | ポイント | 具体例・留意点 |
|---|---|---|
| 快適で安心感を与える空間づくり | 明るく清潔で居心地のよい空間を目指す | 広々とした待合室、ゆったり座れる椅子、観葉植物、落ち着いた色合いのインテリアで穏やかな雰囲気を演出 |
| 色彩計画 | コンセプトに合った安心感や清潔感を感じさせる色を選ぶ | 清潔感:白・ブルー系 温かみ:アイボリー・ベージュ系 |
| 照明設計 | 場所に応じて明るさ・色温度を調整 | 診察室:十分な明るさで肌の色や患部を正確に確認 待合室:温かみのある色味や間接照明でリラックス感を演出 |
| 動線とレイアウト | 患者さんとスタッフ双方の動線を考慮 | 受付から待合、診察後のリハビリ、会計とスムーズに流れるように各室を配置 |
整形外科では、患者さんの身体的な負担を軽減する内装設計が欠かせません。
十分な広さと安定感のある椅子、車椅子や松葉杖を使う患者さんが安心して過ごせるスペースの確保、転倒防止のため床材には滑りにくい素材を選ぶなど、安全性を優先させたデザインを心がけましょう。
整形外科には足を怪我して松葉杖や車椅子を利用する患者さんや、高齢の方、歩行が困難な患者さんが多数来院します。そのため、院内のあらゆる動線で段差を解消し、スロープの設置や手すりを配置するなど、バリアフリー設計を徹底する必要があります。
例えば、入り口は自動ドアや引き戸にして車椅子でも出入りしやすくし、通路の幅は車椅子が余裕を持って通れる広さ(180cm以上)を確保します。また、玄関にスロープを設置したり、受付カウンターを車椅子の高さに合わせて低めの部分を設けたりするなど、細やかな心づかいが大切です。
参照:『高齢者等配慮施設設計指針』(国土交通省)
高齢の方や足腰に不安を抱える方が快適に過ごせる工夫を心がけるのがポイントです。 基本はバリアフリー対応と重なりますが、特に以下の点に配慮するとよいでしょう。
- 移動しやすい動線の確保
- 立ち座りを助ける設備
- 視認性と快適性
院内の段差をなくして床の高さを揃え、必要な箇所にはスロープや手すりを設置します。どの部屋にも無理なく移動できるようレイアウトを工夫し、リハビリ室や診察室を待合から遠すぎない位置に配置すると移動負担の軽減につながります。
また、待合室の椅子やソファは、座面の高さを40~45cm程度にすると立ち上がりやすくなります。可能であれば肘かけ付きの椅子を用意し、膝や腰への負担を和らげましょう。
さらに、高齢の方でも見やすいよう、案内表示やサインは大きな文字でわかりやすく設置します。
こうした工夫は、訪れるすべての患者さんの心理的な安心感にもつながります。
診察室とリハビリ室では、それぞれ使い方に合わせた配慮が必要です。
診察室では、患者さんがスムーズに出入りできるよう、入口の幅を広めにとり、車椅子や松葉杖でも開閉しやすい扉にします。
診察台への移乗がしやすいレイアウトも重要です。車椅子から診察台への横付けが可能なスペースを確保し、必要に応じて可動式の移乗ボードなどを用意すると、高齢の方や障害のある方の負担が軽減されます。
リハビリスペースは、リハビリ機器が設置されても移動しやすい十分な広さを確保します。リハビリ中に患者さん同士の視線が気にならないようカーテンを設置したり、リハビリスタッフとの会話が周囲に響かないよう、必要に応じて吸音材を取り入れたりする配慮も有効です。
また、自然光が入り、明るく開放的な雰囲気にすることで治療への前向きな気持ちを高められます。
トイレもバリアフリー対応にし、介助が必要な場合にも対応できる広めのスペースを取ることが理想です。車椅子や杖を利用する患者さんが使いやすいよう、出入口は引き戸や自動ドアにして段差なく出入りできるようにします。
個室内は車椅子ごと入れる十分な広さを確保し、便器の両側にしっかり身体を支えられる手すりを設置しましょう。可能であれば、車椅子の方でも使いやすいように低めの手洗いシンクを設置することを検討してみてください。
万が一トイレ内で転倒や体調不良が起きた場合に備えて、緊急呼び出しボタンを取り付けておくとより安心感が高まります。
患者さんに「また来たい」「通い続けたい」と感じてもらうには、快適さ・利便性・清潔感の3つが揃った空間づくりが重要です。
広々としたスペースの確保やスムーズな動線設計だけでなく、清潔で温かみのあるインテリア、季節の飾り付けやアートの展示といった要素は患者さんの心理的負担を軽減して、親しみや安心感を持ってもらいやすくなります。
整形外科にはほかの診療科にはない独自の内装上の工夫やアイデアが求められます。
まず、整形外科では患者さんの動作確認や歩行評価を行うことがあるため、診察室やリハビリスペースだけでなく、廊下や待合室の床材にも配慮が必要です。
また、装具や補助具の試着・調整スペースを設けるのも、整形外科ならではの工夫の一つです。靴の脱ぎ履きがしやすいベンチや、壁面に鏡を設置したフィッティングエリアを作ることで、義足や装具の適合確認をスムーズに行えるようになります。
編集部まとめ

患者さんは身体に痛みや不安を抱えて来院するため、内装面での気遣いが患者さんの心理的負担を軽減し、治療に専念できる環境を作ります。清潔で明るい待合室、バリアフリーに対応した動線設計、そして患者さんが「また通いたい」と感じる居心地のよさを実現するために、さまざまな心配りと工夫を内装計画に取り入れてみてください。
整形外科ならではのリハビリスペースの充実や、椅子の高さ、手すりの配置といった細部への配慮は、患者さんの満足度を高めてくれるでしょう。




