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クリニックの会計業務とは?業務改善のメリットや効率化の方法を解説

                   
投稿日: 2026.02.09
更新日:2026.02.01
                   

クリニックの会計業務は経営の効率化やキャッシュフローの健全化、患者さん満足度の向上にもつながる業務です。医師は、日々の診療に集中したい一方で、レジ締めや医療費の請求処理に追われることもあるでしょう。

本記事では、クリニックの会計業務の具体的な内容や一般企業との違い、会計業務改善のメリット、そして効率化の方法を解説します。

クリニックの会計業務の詳しい内容

クリニックの会計業務の詳しい内容
クリニックの会計業務にはどのようなものがありますか?

クリニックにおける主な会計業務は下記のとおりです。

  • 医療費請求
  • 積算業務
  • レセプト業務
  • 日次の売上金管理
  • レジ管理

患者さんへの医療費請求と精算業務とは、診療後に患者さんの自己負担額を計算し、窓口で支払いを受けて会計処理を完了させる業務です。この際、領収書や診療費の明細書を発行し、処方箋がある場合はそれもお渡しします。

レセプト業務とは、患者さんが健康保険を使った場合に、一定の自己鍛金額を差し引いた残額を保険者に請求する業務です。カルテに記載された情報をもとに、レセプトを作成・点検して審査支払期間に提出します。

このように、日々の窓口会計と月次の診療報酬請求がクリニック会計業務の二本柱です。

クリニックの会計業務は一般企業の経理や会計とは異なるのですか?

はい、一部異なります。一般企業の経理が売上と仕入や経費精算、決算業務などを中心とするのに対し、クリニックでは医療保険制度に基づく特有の会計処理が発生します。

例えば、医療機関の収入は患者さんからの窓口収入(自己負担分)と、公的保険から後日振り込まれる診療報酬収入に分かれています。このため、未収金の管理や資金繰りの管理が求められます。

また、医療事務は診療報酬請求の作成が中心で、経営管理のための帳簿付けや決算処理とは役割が分かれています。このように、クリニック会計は医療特有の保険請求業務が加わる点で特殊ですが、経理的な観点では基本原理は企業会計と通じるものがあります。

医療事務スタッフが担う会計業務の役割を教えてください

クリニックでは、受付担当の医療事務スタッフが会計業務を担います。具体的には、診療終了後に診療報酬点数に基づいて医療費を計算し、患者さんに自己負担額を案内し、徴収します。

計算にはレセプトコンピューター(医事会計システム)を用いることが一般的で、システムが自動算出した医療費を確認する形で進めます。患者さんから現金やクレジットカードなどで支払いを受け、領収書と明細書を発行してお渡しするまでが医療事務スタッフの会計業務です。

また、月末あるいは月初にはレセプトの作成と点検作業も担当します。カルテの記載内容をもとにレセプトコンピューターで診療報酬明細書を作成し、返戻やエラーがないか確認することも重要な役割です。

クリニックの会計業務改善のメリット

クリニックの会計業務改善のメリット
会計業務の効率化はクリニックの経営にどのように貢献しますか?

会計業務を効率化することは、クリニック経営に多くのメリットをもたらします。まず人件費や時間の節約です。

例えば、会計処理を自動化すると、レジ締めや現金精算にかかるスタッフの残業時間が減り、直接的に人件費削減につながります。財務管理の正確性向上も経営面の利点です。会計ミスの削減によって過誤請求、未回収を防げるため、キャッシュフローが改善する可能性があります。

院長の負担も軽減します。会計業務の効率化によって院長自身が経理雑務に費やす時間が減れば、本来の医療サービスの提供や戦略的な経営判断に注力できるようになります。

また、会計業務が迅速化することで、患者さんの満足度の向上にもつながります。

会計業務改善が患者さん満足度向上につながる理由を教えてください

会計業務を改善することで、患者さんの待ち時間が短縮されることが大きな要因です。クリニックにおける不満点として、「会計で長く待たされる」ことがよく挙げられますが、会計処理がスムーズになれば患者さんの待ち時間が減ります。

待ち時間の短縮は患者さんのストレスを軽減し、「このクリニックは対応が迅速で快適だ」という満足感につながります。

また、会計の効率化によってスタッフに心の余裕が生まれ、患者さん対応の質が向上する効果も期待できます。会計処理に追われる状況を改善すれば、スタッフは電話対応や問い合わせ対応にも落ち着いてあたれるため、患者さん一人ひとりに丁寧なサービスを提供しやすくなります。

クリニックの会計業務を効率化する方法

クリニックの会計業務を効率化する方法
クリニックの会計業務を効率化する方法を教えてください

会計業務を効率化するポイントは、人の手による作業を減らして仕組み化することとデジタル化することです。具体的な方法は下記のとおりです。

  • 会計関連のシステムの導入
  • 会計業務の自動化ツールの導入
  • 会計処理手順の見直しと改善

紙の台帳やエクセルで管理している場合は、クリニック向けの会計ソフトを導入しましょう。収入および支出の記帳から帳簿作成、経費精算までをシステム上で完結できるため、ミスが減り業務が効率的に進みます。

また、診療報酬の計算および請求に特化した医事会計システム(レセプトコンピューター)を活用すれば、診療点数の算出ミスや請求漏れを防止でき、レセプト業務の負担も大幅に軽減できます。電子カルテや予約システムと連携できる製品を選べば、受付から会計まで一連の情報を一元管理できるので重複入力の手間も省けます。

会計業務の自動化ツールの活用もよいでしょう。

自動精算機(セルフ会計システム)を導入すれば、患者さん自身が機械で支払いを行えるため、受付スタッフが現金を扱う手間が省けます。特に、来院患者数が多いクリニックでは、自動精算機によって現金授受やお釣り計算の作業が自動化されると、スタッフの残業削減やヒューマンエラー防止に直結します。

さらに、現在の会計処理手順を洗い出し、無駄な手間や二重入力になっている部分がないか見直します。

例えば、受付での保険証確認から会計までのフローを見直し、入力項目の重複を減らすだけでも効率は上がります。スタッフ間で業務手順をマニュアル化し、誰でも一定のスピードで正確に処理できるよう教育することも重要です。

クリニックの会計業務を効率化できるシステムを教えてください

会計業務効率化に役立つシステムとして、以下のようなものがあります。

システム名 導入による主な効果
医療会計システム(レセコン)
  • 請求漏れや誤記入の減少
  • レセプト作成の精度向上
  • 診療データの正確な管理が可能
クラウド会計ソフト
  • 電卓作業の不要化
  • 仕訳入力の簡素化
  • 経営状況の可視化
電子カルテシステム
  • 転記ミスや記入漏れの防止
  • 受付から会計フローがスムーズに
自動精算機/自動釣銭機
  • 釣銭ミスの防止
  • 会計待ち時間の短縮
  • 非接触で衛生的
  • スタッフ負担軽減

以上のようなシステムを組み合わせて導入することで、クリニックの会計業務は飛躍的に効率化できます。自院のニーズに合ったシステムを選定し、段階的にデジタル化を進めてみましょう。

レセプト(診療報酬請求)業務の負担を減らす方法はありますか?

レセプト業務の負担軽減には、レセプト関連のIT化が不可欠です。

具体的には、すでに述べたレセプトコンピューター(医事会計システム)は、カルテの内容から診療行為や薬剤を入力すれば、自動的に点数計算が行われレセプト用データが生成されます。レセプトコンピューターを使えば点数の自動チェック機能もあるため、煩雑なルールの漏れによる請求もれを防ぎ、差戻しレセプトの発生も抑えられます。

結果として、レセプト作成に割く時間が減り、ほかの業務に充てられる時間が増えるでしょう。

特に電子カルテにレセプトコンピュータが搭載されているものや連携されているものを選ぶと、業務の負担を大幅に軽減できます。電子カルテに入力された内容でレセプト業務を行えるため、二度手間を防げます。

キャッシュレス決済を導入するメリットを教えてください

クリニックでキャッシュレス決済を導入することには、多くのメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。

  • 患者さんの利便性向上と待ち時間短縮
  • 受付業務の負担軽減とミス削減
  • 非接触で衛生的な会計
  • 患者満足度・リピート率の向上

以上のように、キャッシュレス決済導入は患者さんとスタッフ双方に多くの恩恵をもたらします。決済代行手数料などコスト面の考慮は必要ですが、それを差し引いても患者さんニーズの高まりと業務効率化の観点から導入メリットは大きいといえるでしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

クリニックの会計業務は、患者さん対応から保険請求、経理処理まで多岐にわたります。医師にとって会計や経理は本来専門外かもしれませんが、会計業務の円滑化は大切です。

レセプトコンピューターや会計ソフトの活用、自動精算機やキャッシュレス決済の導入など規模や予算に応じてできることから着手し、会計業務の効率化してみましょう。