オンライン資格確認とは?仕組みと医療機関での導入や運用を解説
2023年4月に病院や薬局での導入が原則義務化され、2024年12月には従来の健康保険証の新規発行が終了しました。日本の医療提供体制は、オンライン資格確認を中心に、マイナ保険証を基本とする仕組みへ移行しています。これからクリニックを開業する医師にとって、オンライン資格確認の仕組みを理解し、適切に導入・運用することは、窓口業務の効率化や医院経営にも関わるテーマです。
この記事では、オンライン資格確認の基本的な仕組みから、導入・運用方法、トラブル時の対応策までを解説します。
オンライン資格確認の基本

- オンライン資格確認とはどのような仕組みですか?
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オンライン資格確認とは、マイナンバーカードのICチップ、または資格確認書の記号番号などを用いて、患者さんの医療保険の資格情報をオンラインで照会し、その場で確認できる仕組みです。
病院側がマイナンバーそのものを取り扱うわけではなく、ICチップ内の利用者証明用電子証明書を用いて本人確認を行います。また、国や支払基金が院内のレセプトコンピュータなどの情報を閲覧できる仕組みではなく、プライバシーに配慮した設計です。 - 従来の資格確認とどのような点が違うのか教えてください
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従来の健康保険証による確認は、受付スタッフが記号番号や氏名、生年月日などを手作業で院内システムに入力していました。オンライン資格確認は、患者さんが顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置くことで、最新の保険資格情報を確認できます。さらに、患者さんの同意があれば、医師などの有資格者が過去の薬剤情報や特定健診情報を確認できます。重複投薬の回避や既往情報の把握につながり、より安全な診療を行いやすくなります。
- 医療機関での導入は義務化されていますか?
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オンライン資格確認は、医療DXを進めるうえで基盤となる仕組みであり、保険医療機関・薬局に対して、2023年4月1日から導入が原則として義務付けられています。これから開業するクリニックでも、開業準備中から機器やネットワーク、院内運用を整えておく必要があります。ただし、システムベンダの作業遅延など、やむをえない事情がある場合には、期限付きの経過措置が設けられています。該当する場合には、地方厚生局への猶予届出書の提出が必要です。
- オンライン資格確認を導入するメリットを教えてください
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クリニック側のメリットは、窓口での手入力が減り、資格過誤によるレセプト返戻や未収金のリスクを抑えやすくなることです。保険資格が変わっている場合でも、古い保険証情報のまま請求してしまう事態を減らせます。
また、患者さんが限度額適用認定証を事前に申請・持参していなくても、同意があればシステムから限度額情報を取得できます。窓口での高額な支払いを避ける手続きが進めやすくなり、診療情報や薬剤情報などを活用できる体制は、診療報酬上の評価につながる場合もあります。 - 導入の手順と必要な機器、ネットワーク環境について教えてください
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導入時は、医療機関等向け総合ポータルサイトでアカウント登録を行い、オンライン資格確認等システムの利用申請や電子証明書の発行などを進めます。開業準備中は、レセプトコンピュータや電子カルテの選定と併せて、連携方法をベンダに確認しておきます。
必要な機器は、受付に設置する顔認証付きカードリーダーと、システムに接続する資格確認端末です。ネットワーク環境は、IPsecやTLSを用いたインターネットVPNなど、通信経路が暗号化され、接続先が管理されたセキュリティ環境を整える必要があります。 - 導入時に活用できる補助金はありますか?
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オンライン資格確認の導入は、医療情報化支援基金により、病院や薬局のシステム整備に対する補助事業が行われています。顔認証付きカードリーダーの無償提供のほか、資格確認端末の購入、既存システムの改修、ネットワーク環境の整備費用について、補助金を活用できる場合があります。補助対象や申請方法は、導入時期や施設区分、整備内容によって異なります。
- マイナンバーカードと保険証はどのように使い分けますか?
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2024年12月2日以降、従来の健康保険証は新たに発行されなくなり、マイナ保険証を基本とする仕組みへ移行しました。受診時には、患者さんがマイナンバーカードを顔認証付きカードリーダーに置き、顔認証または暗証番号で本人確認を行います。
一方で、マイナンバーカードを取得していない方、健康保険証として利用登録していない方、カードでの受診が難しい高齢の方や障害のある方などには、医療保険者から無償で資格確認書が交付されます。資格確認書を提示すれば、従来と同じように適切な自己負担割合で保険診療を受けられます。 - オンライン診療ではどのように運用すればよいですか?
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オンライン診療は、受付窓口の顔認証付きカードリーダーを使えないため、マイナ在宅受付Webを活用してオンライン資格確認を行います。患者さんは、自身のスマートフォンなどから手続きを行い、暗証番号の入力によって本人確認を行います。これにより、オンライン診療でも資格情報を確認でき、患者さんの同意があれば薬剤情報などの閲覧も可能です。
- 資格無効と表示された場合はどう対応すればよいですか?
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転職などで患者さんの医療保険が変わった際、新しい保険者がシステムへデータを登録するまでの間に受診すると、資格無効や資格情報なしと表示されることがあります。この場合、すぐに10割負担とせず、確認できる資料を順に案内します。
具体的には、マイナポータルの資格情報画面、ダウンロードしたPDF、または紙の資格情報のお知らせを提示してもらいます。これらも提示できない場合、再診の際は資格情報に変更がないか口頭で確認し、初診の際は被保険者資格申立書に記入してもらいます。 - 患者さんがマイナンバーカードを忘れた場合はどうなりますか?
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患者さんがマイナンバーカードを忘れた場合は、まず有効な資格確認書や資格情報のお知らせを持っていないか確認します。提示できる書類があれば、その券面情報などを用いて資格確認を行います。
いずれも提示できない場合は、資格無効時と同じように、再診の場合は以前の資格情報から変更がないかを確認し、初診の場合は被保険者資格申立書に記入してもらいます。受付では、患者さんが迷わないよう、必要な確認書類と対応手順をわかりやすく案内します。 - システム障害や通信トラブル時の対応方法を教えてください
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停電や自然災害、院内ネットワークの不具合、機器の故障、マイナンバーカードのICチップ破損などにより、一時的にオンライン資格確認ができないことがあります。この場合も、資格無効時と同様に、マイナポータル画面、資格情報のお知らせ、または被保険者資格申立書を用いて対応します。
災害発生時には、特別措置として災害時モードが用意されています。マイナンバーカードを持参していない場合でも、氏名や生年月日などを窓口で伝えることで、患者さんの同意のもと、薬剤情報などを確認できる場合があります。クリニックでは平時から障害時の運用手順を共有しておく必要があります。
オンライン資格確認の導入方法と運用方法

トラブル時の対応と注意点

編集部まとめ

オンライン資格確認は、医療DXの基盤として原則義務化されている仕組みです。受付業務の効率化やレセプト返戻の削減に加え、診療情報や薬剤情報を共有することで、診療の質の向上にもつながります。導入時には、顔認証付きカードリーダーや資格確認端末、セキュリティに配慮したネットワーク環境の整備が必要ですが、補助金を活用できる場合もあります。
マイナ保険証を基本とする体制は、資格確認書を使う患者さんへの対応、オンライン診療での資格確認、資格無効時やシステム障害時の対応まで想定しておく必要があります。開業前から受付手順を整え、スタッフ間で共有しておきましょう。




