オンライン診療の保険点数はどう決まる?算定ルールや対面との違いを解説
コロナ禍を経てオンライン診療の必要性が高まり、診療報酬(保険点数)の評価や算定条件にも大きな変更が加えられました。
本記事では、近年ますます普及することが見込まれるオンライン診療の、保険点数に関する基礎知識や対面診療との違い、算定時の条件や注意点などを解説します。
オンライン診療|保険点数の基礎知識

- オンライン診療はすべて保険診療として算定できますか?
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オンライン診療は条件を満たせば保険診療として算定可能です。また、医師が可能と判断すれば初診からオンライン診療を行うことが認められています。
その際、オンライン診療料という独立した点数項目ではなく、情報通信機器を用いた初診料あるいは再診料として評価されます。ただし、算定には一定の条件を満たす必要があり、後述するように事前に施設基準の届出を行うことや、厚生労働省の指針に沿った診療を実施することなどが求められます。これらの条件を適切に満たしていない場合、オンライン診療を行っても保険点数として認められません。 - オンライン診療の点数は対面診療と同じですか?
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いいえ、オンライン診療の診療報酬点数は対面診療と完全には同じではありません。
例えば初診料の場合、対面診療では288点ですがオンライン診療では251点と定められており、対面よりやや低い点数になっています。
再診料はともに73点で同じですが、オンライン診療として算定する場合は別コードで請求します。
また、患者さんの病状管理に対する医学管理料などもオンライン実施時には点数が調整されています。これはオンライン診療の特性を踏まえた評価であり、オンラインでは検査の実施が困難な場合があることなどが反映されています。
このようにオンライン診療の点数は対面と比べて総じて低めに設定されていますが、その分患者さんの通院負担軽減や待ち時間短縮といったメリットも期待できます。
点数表を確認し、オンラインと対面で点数が異なる項目を把握しておきましょう。 - 電話診療とオンライン診療の点数の違いを教えてください
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現在の制度上、電話だけによる診療(電話再診)はオンライン診療の算定対象には含まれません。オンライン診療として保険点数を算定するためには、リアルタイムの双方向のビデオ通話による診療であることが必須です。
ただし、新型コロナウイルス感染症拡大期の特例措置としては例外的に電話診療が認められた時期があり、その際は初診でも電話で214点を算定可能とされていました。
しかし、2023年8月以降この特例は終了し、電話診療に対する特別な算定措置も撤廃されています。したがって現在は、電話のみで診療した場合は基本的に保険点数を算定できないと考えてよいでしょう。 - オンライン診療の算定には事前の届出や手続きが必要ですか?
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オンライン診療を保険算定するには事前に所定の手続き・届出が必要です。
具体的には、オンライン診療の診療報酬を算定するための施設基準に係る届出を管轄の地方厚生(支)局に提出する必要があります。この届出により、当該医療機関がオンライン診療を適切に実施できる体制を整えていることを示し、厚生労働大臣が定める施設基準に適合している旨を申告します。
施設基準の内容としては、オンライン診療の適切な実施に関する指針に沿った診療体制が整っていることや、急変時に速やかに対面診療へ移行できる体制を有していることなどが求められます。
また、オンライン診療に責任を持つ医師が所定の研修を受講済みであることも条件の一つです。2020~2023年のコロナ禍特例期間中は届出なしでも臨時的にオンライン初診料214点の算定が可能でしたが、2023年8月1日以降この特例措置は終了し、届出が必須化されています。
したがって現在は、届出を行わずにオンライン診療を実施した場合、原則として保険点数を請求できません。オンライン診療を始める際は、必ず事前に管轄当局への届出手続きを済ませ、受理されてから算定を行うようにしてください。 - オンライン診療の算定ルールは診療科によって異なりますか?
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いいえ、オンライン診療の算定ルール自体は基本的にすべての診療科で共通です。
厚生労働省の定めたオンライン診療の指針や施設基準は、内科や小児科、精神科など診療科を問わず適用されます。すべての保険診療科でオンライン診療の算定が可能であり、特定の科だけ算定できないという制限はありません。
ただし、診療内容によって細かな要件や留意事項が存在する点を知っておきましょう。これらは診療科というより扱う疾患や薬剤に基づく制限です。 - オンライン診療の保険点数算定で生じやすいミスやトラブルを教えてください
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オンライン診療ならではの算定ミスやトラブルとしては、算定要件の見落としや入力漏れによる請求漏れが挙げられます。
例えば、診療報酬改定でオンライン診療関連の点数が変更されたにも関わらず旧ルールのまま請求してしまう、オンライン診療の施設基準届出をしていないのに点数を算定してしまう、といったケースです。
これらは査定や返戻の原因となり、結果的に診療所側の収入遅延や再請求の手間を生じさせます。
また、診療録やレセプト摘要欄への記載漏れにも注意が必要です。オンライン診療では指針に沿った診療で合ったことなどをカルテおよびレセプトに記載することが求められますが、これを行わないと減点対象となりえます。
加えて、オンライン診療特有の点数の選択ミスも起こりがちです。例えば、対面診療とオンライン診療で点数が異なる管理料について、オンライン実施なのに対面時の点数で請求してしまう、あるいはその逆なども起こりえます。
そのため、オンライン診療の算定においては、ルールの周知徹底と記録、請求時の確認が重要です。 - オンライン診療の保険点数算定はDX化でどこまで自働化できますか?
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デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、電子カルテやレセプトコンピューターの自動算定機能で、診療報酬の算定業務は効率化、そして自動化することができます。医師の入力に基づき、診療料や加算、レセプト摘要が自動で付加され、算定漏れや入力の手間を削減できます。
また、AI搭載のレセプトチェック機能も登場しています。
ただし、完全な自動化には限界もあり、システムで判定できないケースでは利用者への確認メッセージを表示し選択を促す仕組みになっています。日常業務は効率化可能ですが、オンライン診療特有の要件など、最終的な判断と責任は医療機関側にあるため、システムの支援を受けつつも最終確認を行うことが重要です。 - オンライン診療の保険点数が算定可能なシステムの種類を教えてください
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オンライン診療に対応した保険点数の算定システムとして代表的なのは、レセプトコンピューター(レセコン)と電子カルテです。
レセプトコンピューターとは診療報酬明細書(レセプト)を作成、管理する専用システムのことで、診療行為に基づく保険点数の自動計算や病名と投薬の整合性チェック、オンライン請求機能などを備えています。レセコンを導入することで、複雑な点数計算が正確かつ迅速に行えるため、請求業務の効率化とミス削減が期待できます。
一方、電子カルテシステムにも近年はレセコン機能を内蔵したものが増えています。特に、クラウド型電子カルテなどは診療記録と会計機能が一体化しており、診療内容を入力すればそのまま点数算定から会計処理まで自動で行われるタイプが主流です。
これらのシステムなら制度の改正にはアップデートで対応しており、オンライン初診料など新設された点数も正しく算定可能です。 - オンライン診療システムと連携が可能な保険点数の算定システムはありますか?
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はい、オンライン診療用のシステムと連携できる算定システムは多く存在します。システム連携のメリットは、データの二重入力を防ぎ業務効率を上げられる点にあります。オンライン診療専用システムとカルテとレセコンが別々だと、患者情報や診療結果をそれぞれに入力する手間が発生し、入力ミスのリスクも高まります。
連携していれば一度の入力で済み、ヒューマンエラー防止にもつながります。政府もオンライン資格確認や電子処方箋などシステム間の連携を推進しており、今後ますますつながるシステムへの移行が進む見込みです。適切な連携環境を整えることで、オンライン診療の保険点数算定もよりスムーズになります。
オンライン診療の保険点数|算定条件と制限

オンライン診療の保険点数算定に役立つシステム

編集部まとめ

オンライン診療の保険点数について、その仕組みやルール、算定時のポイントを解説しました。オンライン診療は対面より点数が低めに設定される傾向がありますが、正しく運用すれば公的保険内で広く実施できます。重要なのは、厚労省の指針や施設基準を遵守し、必要な届出と手続きを踏んだ上で算定することです。
テクノロジーも活用しながら、オンライン診療の保険算定を適切に行うことで、診療報酬面でも無理なくオンライン診療を継続できるでしょう。




