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オンライン診療の自由診療の成功ポイント|導入前に知っておくべき強みと注意点とは

                   
投稿日: 2026.02.18
更新日:2026.02.14
                   

オンライン診療(遠隔診療)は、患者さんが自宅などからスマートフォンやパソコンを通じて医師の診察や薬の処方を受けられる新しい診療形態です。対面診療に比べ通院の負担が少なく、遠方の医師にもアクセスしやすい点で近年ニーズが高まっています。

一方で、公的医療保険が適用されない自由診療では、医療機関が診療内容や料金を自由に設定でき、オンライン診療との相性もよい場面があります。

本記事では、オンライン診療における自由診療の具体的な内容や強み、導入にあたっての基本知識などを解説します。

オンライン診療の自由診療でできることと強み

オンライン診療の自由診療でできることと強み
オンライン診療の自由診療は何ができますか?

オンライン診療で自由診療として提供できる診療内容は多岐にわたります。基本的には公的保険が適用されない治療やサービスで、対面を必要としないものが中心です。

自由診療では特に処方薬の提供を目的とした相談に利用されるケースが多く、例えば以下のような分野でオンライン診療が活用されています。

  • 避妊や月経管理
  • 勃起不全(ED)治療薬や早漏防止薬の処方
  • 男性型脱毛症(AGA)に対する薬の処方
  • まつ毛貧毛症治療薬(グラッシュビスタなど)の処方
  • 肥満症に対する薬の処方

このように、オンラインで完結可能な範囲の診療であれば自由診療として提供できます。

オンライン診療の自由診療でできないことを教えてください

オンライン診療では、対面のような直接の身体診察ができないため、触診や聴診、検査、処置といった行為は行えません。したがって、病状の把握に画像検査や身体所見が不可欠なケースや、点滴や注射などの処置が必要な治療は提供できません。

また、緊急対応が求められる重篤な症状や複雑な症例はオンライン診療では判断困難な場合が多く、適切な判断や処置が間に合わない可能性があるため対応すべきではありません。

さらに、処方できない薬剤も存在します。法律により麻薬や一部の向精神薬などハイリスク薬剤のオンライン処方は制限されており、初診での抗不安薬や睡眠薬の処方も禁止されています。

オンライン診療における自由診療の特徴を教えてください

自由診療とは、公的医療保険が適用されない診療全般を指し、患者さんは費用を全額自己負担します。その代わり、診療内容や料金を医療機関が自由に設定できるのが大きな特徴です。

保険診療では国の定めた診療報酬点数に従う必要がありますが、自由診療では契約に基づき医師と患者さんの合意で対価を決めます。このため、保険で認められていない先進的な治療や薬剤の提供、美容目的の施術なども行えるなど選択肢が広がるメリットがあります。

オンライン診療との親和性も高く、もともと対面でも自由診療だった領域であればオンラインに移行しやすいでしょう。

また、オンラインであれば患者さんの居住地に関係なくサービス提供できるため、地方や遠方にいる患者さんにもアプローチ可能です。

オンラインの自由診療の強みを教えてください

オンライン診療と自由診療を組み合わせることにより、医療機関と患者さん双方にさまざまなメリットが生まれます。主な強みは以下のとおりです。

  • 患者さんの利便性やプライバシー保護
  • 診療の幅拡大と患者さんのニーズへの対応
  • 経営面のメリット(収益性向上)
  • 働き方の柔軟性と業務効率化

以上のように、オンライン診療と自由診療の組み合わせは、患者満足度向上と医療機関の発展の両方で強みがあるといえます。ただし、その利点を活かすには、次章で述べるような法律遵守や適切な準備が前提です。

オンライン診療で自由診療を行うときの基本知識

オンライン診療で自由診療を行うときの基本知識
オンライン診療で自由診療を導入する際の法律上の注意点はありますか?

はい、オンライン診療を行うにあたっては自由診療であっても関係法令や厚生労働省のガイドラインを遵守する必要があります。具体的には、以下のポイントに注意しましょう。

  • オンライン診療の指針の遵守と研修修了
  • 初診からオンライン診療する場合は事前に十分な問診・相談の場の用意
  • 行政への届け出・設備基準の遵守

このほかにも、処方箋は、オンライン診療後に郵送や電子的に交付する仕組みを整える必要があります。これら法律面のルールを踏まえたうえでオンライン診療を導入しましょう。

参照:『「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&A」の改訂について』(厚生労働省)

保険診療と自由診療を併用することはできますか?

原則としてできません。一つの診療行為において公的保険診療と自由診療の併用は法律で禁止されています。これを俗に混合診療と呼びます。診察に自由診療の項目が含まれると、その診療全体が自由診療とみなされ保険適用外となってしまいます。

どうしても両方必要な場合は、別々の診療枠で対応するといった工夫が考えられます。なお、例外的に先進医療など国が認めた特例では一部併用が可能なケースもあります。患者さんには、公的保険で対応できる部分かどうかを十分説明し、自由診療を提案する際も併用の制限について理解を得ておきましょう。

診療前に料金の説明が必要なのはなぜですか?

自由診療では費用が全額自己負担となり金額も医療機関ごとに異なるため、事前の料金説明と患者さんの同意は必須です。

保険診療であれば自己負担は原則1~3割で、診療報酬点数によって全国一律の料金体系が決まっています。一方、自由診療では治療内容や価格設定は病院側の裁量に委ねられるため、患者さんにとって予想外に高額になるケースもあります。このようななか、料金体系が不明瞭だったり説明が不十分なままであったりしては患者さんとのトラブルになりかねません。

オンライン診療に必要なツールやシステムを教えてください

オンライン診療を行うには、医師側と患者さん側ともに以下の準備が必要です。

  • カメラ・マイク付きのパソコン、タブレット、またはスマートフォンなどの端末と、安定したインターネット接続
  • 医師と患者さんをつなぐビデオ通話システム
  • クレジットカードなどオンライン決済手段

以上が主なツール類ですが、オンライン診療システム提供会社からトータルでサポートを受けられる場合もあります。自院の規模や目的に応じて適切な形態を検討してください。

オンライン診療で自由診療を行うときの注意点

オンライン診療で自由診療を行うときの注意点
自由診療の料金設定のポイントを教えてください

自由診療の料金設定は自由ですが、その設定は慎重に行う必要があります。必要以上に高額設定や不明瞭な料金体系は、患者さんの不信感につながるため避けるべきです。

また、市場相場とコストの考慮も必要です。薬剤費や人件費、運営コストに適正な利益を上乗せしたうえで、他院の相場も参考に適正価格を見極め、相場から極端に乖離しないよう調整します。

そして、料金公表と周知を徹底しましょう。決定した料金はホームページなどで明確に公表し、事前説明を徹底することで、患者さんが検討しやすくなります。変更時も速やかに更新と周知を行い、質問には根拠をもって説明できるようにしておきましょう。

オンライン診療の自由診療でよくあるトラブルと防止策を教えてください

オンライン診療の自由診療に特有のトラブル事例があり、事前に対策を講じることが重要です。代表的なトラブルとその防止策をいくつか挙げます。

  • 説明不足や誤解によって生じる金銭面のトラブル
  • 診療が簡略化することによるトラブル
  • ビデオ通話の接続不良や音声トラブルで診察が中断・不能となるケース
  • 患者が直前にキャンセルしたり、無断で受診しなかったりするケース

以上のように、オンライン自由診療には説明不足による金銭トラブル医療上のリスク管理の問題システムや予約管理上の課題があります。

それぞれのリスクに対して事前に対策を講じ、患者さんとのコミュニケーションを密に取ることで、未然に防ぐことができるでしょう。

支払い方法の整備やキャンセルポリシーはどうすればよいですか?

オンライン診療の自由診療を円滑に運営し、患者満足度を向上させるためには、支払い方法とキャンセルポリシーの整備が不可欠です。

まず、支払い方法の整備については、予約時にカード情報を登録し、診療後に自動決済するクレジットカード決済の導入が主流です。多くのオンライン診療プラットフォームに標準装備されており、手間がかかりません。

また、オンライン診療はキャンセルしやすいため、段階的キャンセル料などをキャンセルポリシーとして明確なルールにしておきましょう。

このように厳格な適用は大切ですが、信頼を損なわないよう、やむをえない事情には次回診療への振替などの配慮も検討しましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

オンライン診療における自由診療は、患者さんの利便性向上とクリニックの収益アップを両立しうる有望な取り組みです。美容や健康増進分野から慢性疾患のフォローまで幅広く活用でき、地理的な制約も超えて新たな患者層にアプローチできます。

一方で、安全かつ円滑に運用するためには遵守すべきルールと入念な準備があります。ポイントをしっかり押さえて導入すれば、オンライン自由診療は患者満足度の高いサービスとなり、ひいてはクリニック経営の強みにもなるでしょう。

自由診療とオンライン診療は相性のよい組み合わせです。ぜひ強みを活かしつつ注意点をクリアして、新しい診療形態を成功へと導いてください。