オンライン診療の料金設定ガイド|開業医向け徹底解説

オンライン診療は近年ますます普及しており、これからクリニックを開業する医師にとっても重要な診療形態のひとつです。しかし、「オンライン診療の料金をどのように設定すればいいのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オンライン診療の料金設定の基本から、保険診療と自由診療の違い、適正な価格の決め方、患者さんに納得してもらうポイントまでを詳しく解説します。これから開業する医師の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
オンライン診療の料金はどう決まる?基本の考え方

オンライン診療の料金設定は、以下のポイントを考慮する必要があります。
- 保険診療か自由診療か
- 保険診療の場合、診療報酬に基づいた料金設定が必要
- 自由診療の場合、クリニック独自の料金を設定可能
- 競合クリニックの料金相場
- 近隣のクリニックやオンライン診療専門クリニックの料金を調査する
- 価格競争に巻き込まれない適正価格を決める
- 提供する医療サービスの内容
- 初診と再診の料金差
- 処方箋発行やカウンセリングの有無
- 運営コストを考慮する
- システム利用料、決済手数料、人件費など
これらを踏まえ、適正な料金を設定することが重要です。
保険診療と自由診療の料金体系の違い

オンライン診療には、大きく分けて保険診療と自由診療の2つの料金体系があります。それぞれの特徴を理解し、自院の方針に合った形を選びましょう。
保険診療の料金
保険診療のオンライン診療では、診療報酬に基づいた料金が設定されます。2024年現在、オンライン診療の主な報酬は以下のようになっています。
診療項目 | 診療報酬(目安) |
---|---|
初診料(オンライン診療) | 約2000円前後(3割負担で約600円) |
再診料(オンライン診療) | 約700〜1000円(3割負担で210〜300円) |
保険診療のメリットは、患者さんの金銭的負担が少なく、受診のハードルが低いこと。しかし、診療報酬が決まっているため、利益率を考慮する必要があります。
自由診療の料金
自由診療では、クリニックが独自の料金を設定できます。
例えば、以下のような価格設定が可能です。
- 1回の診察料:5000~10000円
- 定額制(月額制):10000~30000円(サブスクリプション型)
- 特別な診療メニュー(美容・AGA治療など):20000円以上
自由診療のメリットは、提供するサービスに応じた適正な価格を設定できることです。ただし、患者さんに納得してもらうための工夫が必要になります。
オンライン診療の診療報酬(保険診療)の最新情報
保険診療でオンライン診療を行う場合、診療報酬のルールを正しく理解することが大切です。
2024年時点でのオンライン診療に関するポイント
- 初診からオンライン診療が可能な疾患が拡大
- 電話診療とオンライン診療の報酬差
- オンライン診療料の加算要件
診療報酬は年々変わるため、定期的に厚生労働省のガイドラインをチェックしましょう。
自由診療のオンライン診療|適正な料金設定のコツ
自由診療の料金設定には、以下のポイントを押さえましょう。
- 競合クリニックの価格調査:他院のオンライン診療価格をリサーチ
- 患者さんの支払意欲を考慮:高額すぎるとリピートされにくい
- 料金プランを工夫:定額制(サブスクリプション)を導入する
適正な価格を設定し、患者さんに選ばれるクリニックを目指しましょう。
オンライン診療にかかるコストと利益のバランス

オンライン診療の料金設定では、コストと利益のバランスを考慮することが重要です。
主なコスト
- システム利用料(月額1万~数十万円)
- 決済手数料(3~5%)
- 通信費(インターネット環境の整備)
適切な価格設定を行い、利益を確保できるようにしましょう。
患者さんに納得してもらう料金設定のポイント
患者さんにオンライン診療の料金設定に納得してもらうためには、明確な説明が必要です。
- 料金表をわかりやすく表示する
- 診療の流れを事前に説明する
- 追加料金の有無を明示する
信頼感を高めることが、長期的な患者獲得につながります。
オンライン診療の料金に関する法律・規制の確認
オンライン診療には、法律や規制があるため注意が必要です。
- オンライン診療ガイドラインの遵守
- 適切な価格設定(過剰な高額請求はNG)
- 診療内容と料金の明確化
違反するとトラブルになる可能性があるため、最新の規制を確認しましょう。
(参考:オンライン診療の適切な実施に関する指針|厚生労働省)
オンライン診療の料金設定を成功させるために

最後に、オンライン診療の料金設定を成功させるためのポイントをまとめます。
- 競合の価格調査を行う
- 適正な価格を設定する(高すぎず安すぎず)
- コストと利益のバランスを考える
- 患者さんからの納得感を高める工夫をする
料金設定は、開業後も見直しが必要です。定期的に調整しながら、最適な料金体系を作り上げていきましょう。
まとめ
オンライン診療の料金設定は、保険診療と自由診療の違いを理解し、適正な価格を設定することが重要です。この記事を参考に、自院に合った料金体系を構築し、コロナ禍以降ますます需要のたかまってるオンライン診療の実施でクリニック経営の成功を実現してください。