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医院におすすめの電話自動応答システムとは?選び方や注意点|電話自動応答サービス(システム)10選を紹介

                   
投稿日: 2025.10.17
更新日:2025.11.13
                   

患者さんからの電話対応は、予約や問い合わせの集中により受付業務の大きな負担となります。電話自動応答システムを導入すれば、業務効率化や待ち時間短縮だけでなく、顧客満足度の向上も期待できます。また、営業時間外でも対応できる仕組みを整えることで、患者さんの利便性や医院の信頼性を高めることも可能です。本記事では、医院に適した電話自動応答サービスの種類や選び方、導入時の注意点、おすすめの10社を紹介します。

電話自動応答システムとは?

電話自動応答システムとは、患者さんからの着信に対して人手を介さず自動音声で案内や対応を行う仕組みです。従来の受付業務ではスタッフが直接電話を受け、予約や診療時間の案内、担当者への取次ぎなどを行ってきました。しかし電話が集中すると業務が滞り、待合室の患者対応や会計業務に支障が出ることも少なくありません。こうした課題を解決するために、多くの医院で電話自動応答サービスの導入が進んでいます。本章では、従来の電話対応との違いや、導入が広がる背景を解説します。

従来の電話対応との違い

従来の電話対応は、すべての問い合わせをスタッフが直接受ける必要がありました。例えば、診療時間の確認や予約の変更、簡単な案内など定型的な質問でも、都度対応に時間を割かねばなりません。その結果、来院中の患者さんの待ち時間が延びたり、業務効率が低下するリスクがありました。これに対して電話自動応答システムは、音声ガイダンスやIVR(自動音声応答)を活用し、用件ごとに振り分けることが可能です。予約システムや電子カルテと連携すれば、スタッフを介さずに予約変更や確認が行えるケースもあり、業務の効率化と患者満足度の向上に直結します。

医院での導入が進む理由

医院で電話自動応答サービスの導入が進む背景には、複数の要因があります。まず、慢性的な人手不足により、受付スタッフの負担を軽減するニーズが高まっていることです。また、患者数の増加や高齢化による電話での問い合わせ件数も増加しており、対応品質を安定させることが重要視されています。さらに、クラウド型サービスの普及により、初期費用や運用コストを抑えて導入できる選択肢が広がったことも追い風です。営業時間外や休診日でも自動応答で案内できるため、患者さんにとっては利便性が高まり、医院側にとっては機会損失の防止にもつながります。このように、電話自動応答システムは医院の業務効率化と患者サービスの両立を実現する有効な手段として注目されています。

電話自動応答サービスの種類と特徴

電話自動応答サービスの種類と特徴

電話自動応答サービスにはいくつかのタイプがあり、それぞれ機能や運用方法が異なります。医院にとって重要なのは、自院の規模や電話対応の課題に合ったシステムを選ぶことです。本章では、代表的な音声案内型やIVR(自動音声応答)システム、クラウド型とオンプレ型の特徴を整理し、導入時の判断材料として解説します。

音声案内型のメリットと使い方

音声案内型は、あらかじめ録音したメッセージで患者さんに情報を伝えるシンプルな仕組みです。例えば、「本日の診療時間は〇時までです」「休診日は〇日です」などの定型案内に向いています。スタッフが同じ内容を何度も繰り返す必要がなくなり、基本的な問い合わせを効率化できます。導入コストも抑えやすく、小規模クリニックでも活用しやすいのがメリットですが、複雑な分岐や予約操作までは対応できないため、補助的な役割として位置づけるのがよいでしょう。

IVR(自動音声応答)システムの特徴

IVRは、発信者が番号を押すことで希望の案内や担当部署につながる仕組みです。例えば、「予約変更は1番、診療時間の案内は2番です」などの分岐が可能で、電話対応を効率的に振りわけられます。予約システムや電子カルテと連携すれば、患者さんが自動音声の指示にしたがって予約確認やキャンセルを行うことも可能です。スタッフの対応件数を減らしつつ、患者さんにとっても待たされにくい環境を提供できるのが強みです。

クラウド型とオンプレ型の違い

電話自動応答サービスは、クラウド型とオンプレ型に大きくわけられます。クラウド型はインターネット経由で利用するため、初期費用を抑えつつ月額料金で導入でき、リモートワークや複数拠点でも柔軟に使えるのが特徴です。一方、オンプレ型は自院に専用機器を設置する方式で、セキュリティや通信品質を自ら管理できる利点があります。大規模な病院や安定性を重視するケースではオンプレ型が選ばれやすいですが、最近はコストや拡張性からクラウド型を導入する医院が増えています。

導入前に注意すべきポイント

導入前に注意すべきポイント

電話自動応答サービスは便利な反面、導入にあたって確認しておくべき点があります。コストやシステム連携、運用の負担を見極めておかないと、期待していた効果が十分に発揮されないこともあります。本章では、導入前に押さえておきたい代表的な3つのポイントを紹介します。

初期費用とランニングコストの確認

まず確認すべきは、導入にかかる初期費用と月額利用料などのランニングコストです。クラウド型であれば初期費用を抑えられる一方、毎月の料金が発生します。オンプレ型は機器設置や保守契約が必要で、初期投資が大きくなる傾向があります。自院の予算や運用スタイルに合わせ、長期的な費用対効果を見極めることが大切です。

既存の電話回線・予約システムとの連携

次に重要なのは、現在利用している電話回線や予約システムとの連携可否です。システム同士の相性が悪いと、結局スタッフが手作業で対応せざるを得ず、効率化の効果が薄れてしまいます。また、事前にメーカーへ確認し、自院の電子カルテや予約管理システムとスムーズに連携できるかのチェックが必要です。

音声案内や応答メッセージの作成の負担

さらに考慮すべきは、音声案内や応答メッセージの作成にかかる負担です。患者さんがわかりやすい内容でなければ、かえって混乱や不満を招く恐れがあります。案内文の作成や録音をサポートしてくれるベンダーもあるため、導入時にサポート体制を確認しておくとスムーズです。運用開始後も、診療時間の変更や休診日などの更新が必要になるため、更新作業のしやすさも重要なポイントです。

電話自動応答サービス(システム)

本章では、医院への導入実績がある代表的な電話自動応答サービスを10社紹介します。各社ごとに特徴や連携できるシステム、利用に適した医院規模などを解説します。自院の課題に合ったサービスを比較検討し、受付業務の効率化や患者さんへの案内、品質向上の参考にしてみてください。

IVRy|株式会社IVRy

IVRy|株式会社IVRy
引用元:https://ivry.jp/

IVRy(アイブリー)は、株式会社IVRyが提供する対話型音声AI SaaSです。低コストかつ早ければ即日で利用が開始できます。専門知識不要で簡単に電話の分岐フローを設定できることが特徴です。AIによる通話内容の自動文字起こしや要約、Web予約サイトなどへ患者さんを誘導するSMS自動送信機能も搭載しています。導入により、定型的な問い合わせや迷惑電話への応対を自動化し、スタッフの電話対応工数を削減できます。大学病院などの大規模な施設から個人クリニックまで、電話業務の効率化を求めるさまざまな規模の医療機関に向いています。

LINE AiCall|LINEヤフー株式会社

LINE AiCallは、LINEヤフー株式会社によるAI電話自動応答サービスです。自社AI技術により、まるで人と話しているかのような自然な対話と高い音声認識精度を実現しています。

医院の運用に合わせて、シナリオ設計からシステム連携まで柔軟にカスタマイズでき、高い対応完了率を達成します。導入メリットは、電話対応の待ち時間ゼロ化と有人対応の削減による労働力不足の解消です。クリニックの予約受付や診療時間外の問い合わせ対応など、24時間365日体制での自動応対が必要な中~大規模な医療機関におすすめです。

PKSHA Voicebot|株式会社PKSHA Technologyグループ

PKSHA Voicebot(パークシャ ボイスボット)は、株式会社PKSHA Technologyグループが提供するAIボイスボットサービスです。日本語に特化した高精度な音声認識技術と、ノーコードで柔軟に変更できる対話フローが特徴です。定型的な問い合わせや予約受付を完全自動化する自動応答プランにより、24時間365日の顧客対応を実現し、オペレーターの業務負荷と管理コストを削減します。コールセンターでの豊富な導入実績があり、複雑な業務フローの高度な自動化とサービス品質向上を目指す中~大規模医療機関におすすめです。

じゃんじゃんコール|株式会社メテム

じゃんじゃんコールは、CTI開発に特化した株式会社メテムが提供するクラウド型IVRサービスです。初期費用と月額費用を抑えた価格設定で、設備費用ゼロで導入できることが特徴です。電話の自動応答機能や録音機能を活用し、資料請求や注文、予約受付などのインバウンド業務を無人化できます。特にクリニック予約受付サービスなど、用途に特化した機能も用意しており、電話業務の無人化によるコスト削減と24時間受付体制の構築を実現します。一時的な着信増大が見込まれるキャンペーンや、受注、予約業務の無人化を優先したい医院に向いています。

モバイルウェブ ビジュアルIVR|NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

モバイルウェブ ビジュアルIVRは、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が提供するWeb誘導型の顧客対応サービスです。電話をかけてきた患者さんに対し、IVR音声ガイダンスと同時にSMS(ショートメッセージサービス)でWebサイトのURLの自動送信を特徴とします。患者さんはそのURLからスマートフォンで視覚的なメニューにアクセスし、予約や診療時間の確認、Web問診票への記入などの自己解決が可能です。デジタルチャネルへの誘導と待ち時間の削減を図りたい、問い合わせが多いクリニックや中規模以上の医療機関に向いています。

Iver|株式会社レイヤード

Iver(アイバー)は、株式会社レイヤードが提供するクリニックの受付に特化した医療専門のIVRシステムです。一般的なコールセンター向けシステムとは異なり、診療時間や予約、発熱外来など医療機関特有の問い合わせメニューがあらかじめ標準搭載されています。クラウドサービスのため、初期費用を抑えつつ固定費+従量課金の料金設計で、小規模の医院でも導入しやすいのが特徴です。導入により、受付電話業務が削減できるため、スタッフは、本来の業務に集中できます。人手不足の解消と患者さんの取りこぼし防止を図りたい、医院に向いています。

CyzoPHONE|株式会社NTTデータ

CyzoPHONE(サイゾフォン)は、株式会社NTTデータが提供するクラウド型IVRサービスです。大容量に対応しており、電話回線数やチャネル数を月単位で柔軟に増減できるほか、初期コストを抑えて導入できることが特徴です。応答ガイダンスや番号入力による振りわけ設定は、Webブラウザから簡単に操作でき、医院でも自由にカスタマイズが可能です。導入により、音声案内や着信振りわけ、留守番電話の活用などを通じて電話応対全体を効率化し、営業機会の損失防止にもつながります。特に、入電が集中しやすいワクチン接種の予約受付や、大容量、低コストで電話一次受付を構築したい医療機関や自治体に適しています。

DXでんわ|株式会社メディカルリンク

DXでんわは、株式会社メディカルリンクが提供するAI搭載の電話自動応答サービスです。AIが患者さんの用件を聞き取り、自動で分岐や転送を行うため、従来のように番号を押すプッシュ操作が不要で、ガイダンスを聞く手間を省ける点が特徴です。さらに、AIが会話内容を簡潔に要約し、チャットツールへ通知できる機能も備えています。これによりスタッフの電話対応工数を大幅に削減できます。小規模クリニックや新規開業の医院など、コストを抑えて導入したい医療機関に適しています。AIによる高度な自動化とサポートを求めるクリニックや医療機関、福祉施設に推奨のサービスです。

CT-e1/SaaS|株式会社コムデザイン

CT-e1/SaaSは、株式会社コムデザインが提供するクラウド型CTI/コールセンターシステムです。数席の小規模窓口から大規模コンタクトセンターまで、幅広い規模での導入実績があります。IVR機能、ACD(着信自動振り分け)、通話録音、CRM連携など定番機能を網羅し、柔軟なカスタマイズにも対応します。既存システムとの連携を維持しながら、コンタクトセンター機能の高度化とオペレーション効率化を実現します。拡張性と充実したサポート体制により、中~大規模病院や医療法人の電話窓口におすすめです。

BIZTELコールセンター|株式会社リンク

BIZTELコールセンターは、株式会社リンクが提供するクラウド型コールセンターシステム、CTIです。PBX(交換機)の設置が不要で、インターネットとPCのみで本格的なコールセンターを短納期、低コストで構築できることを特徴とします。IVRやACD(着信振り分け)、通話録音などの基本機能に加え、CRM連携や音声認識、生成AIなどの新しい機能にも対応し、高い拡張性を持ちます。トータルバランスと信頼性を重視し、機能的な不足なく運用したい中~大規模病院、および医療系アウトソーシング企業に向いています。

電話自動応答システム導入のメリット

電話自動応答システムの導入により、医院は業務効率化とサービス品質の両立を実現できます。電話対応の自動化は単にスタッフの負担を軽減するだけでなく、患者さんの満足度向上や医院全体の運営改善にも直結します。本章では、代表的な3つのメリットを整理して紹介します。

受付業務の効率化と人的リソースの節約

予約や診療時間の確認など、定型的な問い合わせは自動音声やIVRで処理できるため、スタッフが電話を取る回数が大幅に減少します。結果として、受付業務の効率化が進み、限られた人的リソースを患者対応や会計業務などの本来の業務に集中させることが可能になります。特に人手不足の医院では、負担軽減と同時に運営の安定化に大きく寄与します。

患者さんの待ち時間や問い合わせ対応の改善

電話がつながりにくい状況は患者さんにとって大きなストレスですが、自動応答システムの導入により待ち時間を短縮できます。音声ガイダンスによる案内や番号選択式のIVRなら、必要な情報にすぐアクセスできるため、迅速で正確な対応が可能です。結果として、患者さんの不満軽減や顧客満足度の向上につながります。

診療以外の業務負担軽減によるスタッフ満足度向上

電話応対に追われる時間が減ることで、スタッフは診療補助や患者対応などの本来の業務に集中できるようになります。業務負担が軽減されると心理的ストレスも減少し、スタッフのモチベーションや職場満足度の向上につながります。定着率向上やチームワークの改善にも寄与し、医院全体のサービス品質を底上げする効果が期待できます。

まとめ

電話自動応答システムは、受付業務の効率化や患者満足度の向上に直結する有効なツールです。導入前には費用や既存システムとの連携、音声案内の運用負担を確認し、自院に合ったサービスを選ぶことが欠かせません。本記事で紹介した10社を参考に、適切なシステムを導入し、業務改善と信頼性向上の実現につなげてみてください。