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クリニックの順番待ちシステムとは?導入するメリット・デメリットや選び方のポイントを解説!

                   
投稿日: 2024.06.21
                   

近年、患者さんの待ち時間対策として順番待ちシステムを導入するクリニックが増えてきています。患者さんの満足度向上や業務効率化につながる一方で、導入費用や運用面での課題もあるため、導入するべきか悩まれている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、クリニックに順番待ちシステムを導入するメリット・デメリットや、順番待ちシステムの選び方のポイントなどについて解説します。

クリニックの順番待ちシステムとは

クリニックの順番待ちシステムとは

クリニックにおける順番待ちシステムとは、患者さんが来院前に予約や受付を行い、診察の順番を決めるシステムのことです。従来の受付順や整理券による方法と異なり、患者さんは自分の都合に合わせて来院時間を調整できるため、待ち時間を有効活用できます。また、クリニック側も予約状況を把握しやすく、スムーズな診療が可能になります。クリニックの順番待ちシステムには下記のような種類があります。

Web対応型

Web対応型の順番待ちシステムは、クリニックのWebサイトから予約や受付を行います。パソコンやスマートフォンのブラウザを使って、空き状況の確認や予約の入力ができます。Web対応型は、アプリのダウンロードが不要なため、アプリに抵抗のある患者さんでも利用しやすいというメリットがあります。また、Webサイト上で予約の変更やキャンセルが可能なため、患者さんの利便性が高いといえます。一方で、インターネット環境が必要であり、操作方法がわかりにくいと感じる患者さんもいるかもしれません。クリニック側は、わかりやすい操作画面の設計と、丁寧な説明が求められます。

アプリ対応型

アプリ対応型の順番待ちシステムは、専用のスマートフォンアプリを使って予約や受付を行います。機能によっては、患者さんはアプリ上で空き状況をリアルタイムで確認し、簡単に予約を入れることができます。また、順番が近づくとプッシュ通知で知らせてくれる機能なども提供可能なため、患者さんは待ち時間を有効活用できます。アプリ対応型は、特に若い世代の患者さんに好まれる傾向があります。ただし、高齢者などスマートフォンの操作に不慣れな患者さんには使いにくい可能性があります。また、アプリのダウンロードや初期設定が必要なため、導入のハードルが高いと感じるクリニックもあるかもしれません。

LINE対応型

LINE対応型の順番待ちシステムは、LINEアプリを使って予約や受付を行います。多くの人になじみのあるLINEを活用することで、幅広い年代の患者さんが利用しやすくなります。LINEの友だち登録をすることで 、クリニックからのお知らせをプッシュ通知で受け取ることもできるため、患者さんとのコミュニケーションが円滑になります。また、LINEには予約の変更やキャンセルといった機能も備わっているため、柔軟な対応が可能です。ただし、LINEを使用していない患者さんへの対応や、高齢者にとってはハードルが高いという点には注意が必要でしょう。

受付対応業務の効率化型

予約受付だけでなく、事前予約・問診・診察・会計まで、業務全般の一連のプロセスを一貫してサポートするシステムです。電子カルテやレセコンとの連携で、患者情報を一元管理することで、予約情報や診療内容の把握から情報共有までがスムーズに行えます。キャッシュレス決済やオンライン決済、Web事後決済などに対応したサービスも多く、スタッフの業務負担軽減はもちろん、患者さんの利便性向上も期待できます。

順番待ちシステムを導入するメリット

クリニックに順番待ちシステムを導入することで、さまざまなメリットが期待できます。患者さんにとっては待ち時間の短縮が最大のメリットですが、クリニック側にも予約対応業務の削減や患者さんの予約忘れ防止など、運営面でのメリットが多くあります。ここでは、順番待ちシステム導入による主なメリットについて解説します。

待ち時間を短縮できる

順番待ちシステムを導入することで、患者さんの待ち時間を大幅に減らすことができます。従来の方式では、患者さんは受診のために早めに来院して長時間待つ必要がありました。順番待ちシステムを導入しているクリニックでは、自分の順番が近くなってから来院すればよいため、待ち時間を最小限に抑えられます。さらに、アプリやWebで順番の進行状況がわかるシステムであれば、患者さんは待ち時間を有効活用できます。待ち時間が短縮されることで患者さんのストレスが軽減され、満足度の向上にもつながるでしょう。また、クリニック側は、待合室の混雑が緩和されるため、スムーズな診療が可能になります。

電話対応業務を削減できる

順番待ちシステムを導入すると、電話での対応業務を削減できます。従来の方式では、スタッフが電話で予約を受け付け、手作業で予約帳に記入する必要がありました。しかし、順番待ちシステムでは、患者さんが自ら予約を入力するためスタッフの負担を軽減することができます。また、アプリやWeb対応型では、24時間いつでも対応が可能なため、患者さんの利便性も高まります。さらに予約管理がシステム上で一元管理できるため、スタッフの業務効率化も期待できます。

患者さんの予約忘れを防止できる

順番待ちシステムを使うことで、患者さんの予約忘れを防ぐことができます。アプリやLINE対応型では、予約日や順番が近づくとプッシュ通知で知らせてくれる機能があります。通知を受けた患者さんは予約を忘れずに済むため、無断キャンセルを防げます。また、予約の変更やキャンセルもシステム上で簡単に行えるため、患者さんは自分の都合に合わせて予約を調整できます。これによりクリニック側は予約の取りこぼしなどの機会損失を防ぐことができ、効率的な運営が可能になります。

順番待ちシステム導入のデメリット

順番待ちシステム導入のデメリット

順番待ちシステムの導入は、患者さんとクリニック双方に多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットもあります。導入費用や運用面での課題、患者さんの利用しづらさ解消など、さまざまな角度から検討が必要です。ここでは、順番待ちシステム導入のデメリットについて具体的に説明します。

初期費用や運用費用が発生する

順番待ちシステムを導入する際には、初期費用や運用費用が発生します。特に、専用のアプリやWebシステムは、開発費用がかかるケースもあります。またクラウドサービスを利用したシステムでは、月額の利用料金が発生します。これらの費用は、クリニックの規模や予算によっては大きな負担になる場合がありますので、導入前に費用対効果を十分に検討する必要があるでしょう。

ITが苦手な患者さんへの対応が必要になる

順番待ちシステムはスマートフォンやパソコンが必要なため、ITが苦手な患者さんにとっては利用しづらいという側面があります。特に高齢者の方は、アプリのダウンロードや操作に戸惑うことが多いでしょう。また、インターネット環境がないという患者さんもいるため、すべての患者さんがシステムを利用できるわけではありません。そのため、例えば電話予約の併用や、来院時の予約代行など、ITが苦手な患者さんへのサポート体制が必要になります。自院の患者さんの年齢層にあわせて、誰もが利用しやすいシステム運用を心がけるようにしましょう。

診察までの時間がわかりにくい

順番待ちシステムでは、患者さんがいつ受診できるかわかりにくいというデメリットがあります。アプリやWebで自分の順番を確認できるシステムであっても、診療の遅れや、突発的な予約の変更などで、予定通りの順番に受診できない場合も少なくありません。緊急性の高い症状の場合は、いつ診てもらえるのか不安になるでしょう。クリニック側は順番だけではなく、待ち時間の目安も表示しておくなどのシステム設計や運用ルールを工夫する必要があります。

順番待ちシステムの選び方のポイント

順番待ちシステムを導入する際は、クリニックの特性や患者さんのニーズに合ったシステムを選ぶことが重要です。選び方のポイントを押さえることで、導入効果を最大化し、運用面での問題を未然に防ぐことができます。ここでは、順番待ちシステムの選び方のポイントを解説します。

操作性が良いか

順番待ちシステムを選ぶ際は、操作性が良いか確認しましょう。操作性が悪いと、患者さんはシステムの利用を躊躇してしまうかもしれません。例えば、アプリの場合はシンプルで直感的な操作画面になっているか、Webの場合は予約の流れがわかりやすく説明されているかなど、ユーザビリティの高さが求められます。ITに慣れていない高齢の患者さんでも、スムーズに予約ができるシステムが理想的です。

電子カルテと連携できるか

電子カルテと連携できるかも、順番待ちシステムを選ぶ際のポイントになります。例えば、予約情報を電子カルテに自動で反映できれば、スタッフの業務負担軽減につながり、入力ミスも防げます。また、前回の診療日や診療内容を、予約情報と一緒に確認することも可能になります。ただし、電子カルテとの連携には、システム間のデータ連携が必要になるため、スムーズな連携が可能かどうかや導入費用について、事前に確認する必要があります。

順番表示ディスプレイと連携できるか

順番表示ディスプレイと連携できるかも、順番待ちシステムを選ぶ際のポイントになります。例えば、自動でディスプレイに患者さんの番号や診察室がリアルタイムで表示されれば、患者さんのスムーズな誘導をサポートでき業務効率化につながります。また、ディスプレイに予約の空き状況を表示することで、患者さんは予約を取りやすくなり予約の取りこぼしを防げます。ただし、順番表示ディスプレイとの連携には費用が発生するため、導入前に十分に検討するようにしましょう。

おすすめの順番待ちシステムを紹介

ここまで、順番待ちシステムの種類やメリット・デメリット、選び方のポイントについて解説してきました。実際に順番待ちシステムを導入する際は、クリニックの規模や予算、患者さんの特性などを考慮して、適切なシステムを選ぶ必要があります。ここでは、おすすめの順番待ちシステムを3つ紹介します。

SMART One

SMART One(スマートワン)は、予約・問診・決済がオンラインで完結するクリニック専門の予約システムです。事前予約機能だけでなく、オンライン上で診療前に問診を行うことができる問診機能や、Web決済(事後決済)機能も提供しており、さらに予約リマインド通知、診察結果報告までの一連のプロセスを一貫して行うことでクリニックの運営を円滑にし、患者満足度を高めることを目的としています。今後はオンライン診療・薬の配送、デジタル処方箋などの機能追加も予定しています。

CLINICS予約

CLINICS予約は、医療機関向けの予約システムです。Webとアプリの両方に対応しており、患者さんは24時間いつでも予約を取ることができます。 電子カルテとの連携が可能で、予約情報や診察内容が電子カルテに自動的に反映されるため、患者情報を一元的に管理できます。また、院内ディスプレイとの連携も可能で、患者さんのスムーズな誘導をサポートします。料金プランは、クリニックの規模に合わせて選べるため、コストを抑えられるのもメリットです。

メディカル革命

メディカル革命は、クラウド型の予約管理システムです。アプリとWebに対応しており、加えてLINE公式アカウントとの連携も可能で、LINEから予約の変更や問い合わせができます。電子カルテやレセコンとのデータ連携にも対応しており、予約管理の効率化が図れます。オンラインでの導入サポートも充実しており、スムーズな導入が可能です。

編集部まとめ

本記事では、クリニックにおける順番待ちシステムについて解説してきました。順番待ちシステムには、Web対応型、アプリ対応型、LINE対応型などの種類があり、それぞれに特徴があります。導入前にしっかりと比較検討し、自院に合ったシステムを選ぶことで、、順番待ちシステムの導入効果を最大化できるでしょう。