保険証の種類はどれくらいある?色や番号の見分け方を解説

日本では、原則すべての国民が公的医療保険に加入することが義務付けられています。公的医療保険を利用して受診する際に提示が必要な「健康保険証」ですが、種類が多く、色や番号の違いを正しく把握されてないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、健康保険証の種類や見分け方について詳しく解説します。
健康保険証の種類

日本の健康保険証は主に「社会保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3種類があり、加入者の職業や年齢、生活状況によって適切な制度が選択されます。
- 公的医療保険の基本とは?
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日本の医療保険制度は、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」を採用しています。
国民皆保険制度により、誰もが安心して医療サービスを受けることができます。
加入者は毎月の保険料を支払い、医療機関での診療時には医療費の一部を負担するという仕組みです。 - 保険証の種類を教えてください。
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健康保険証の種類は大きく分けると、会社員や公務員が加入する「社会保険」、自営業者や無職の方が加入する「国民健康保険」、75歳以上の方を対象とした「後期高齢者医療制度」などがあります。
それぞれの保険証は、加入者の職業や年齢、生活状況に応じて適切な制度が適用されます。 - 加入する医療保険制度の名称に違いはありますか?
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医療保険制度の名称は、加入者の職業や状況によって以下のように分かれています。
- 組合管掌健康保険
- 全国健康保険協会管掌健康保険
- 共済組合管掌健康保険
- 国民健康保険
- 後期高齢者医療制度
各制度は加入者の状況に合わせて設計されており、適切な医療サービスを受けられるよう整備されています。
保険証の色・記号・番号の見分け方

保険証の色・記号・番号は、加入している保険制度の組織や加入者の属性を一目で判別できるようになっています。
- 青色・ピンク・水色の意味と特徴を教えてください。
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青色:被保険者本人が働いている会社の社員・公務員向け・その扶養家族も含む
ピンク:退職後の継続保険。以前の勤務先の健康保険を継続利用
水色:市区町村が運営する国民健康保険。自営業者や非正規雇用者向け
- 色の違いによる保険者の違いはありますか?
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保険者によって多少の違いはありますが、色による保険者の種類は以下のように分けられます。
青色:健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)が運営
水色:各市区町村の国民健康保険課が運営
ピンク:前職の健康保険組合が継続して運営
緑色:都道府県後期高齢者医療広域連合が運営
黄色:国家公務員共済組合や地方公務員共済組合が運営 - 保険証の記号部分の意味を教えてください。
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記号部分の詳しい識別方法は以下の通りです。
記号部分(例:「A1234」)
– 加入している健康保険組合
– 勤務している事業所
– 居住地域の情報 - 保険証の番号部分の意味を教えてください。
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番号部分の詳しい識別方法は以下の通りです。
番号部分(例:「567890」)
– 被保険者個人を特定する番号
– 加入順や地域コードなどを表す - 保険証の枝番部分の意味を教えてください。
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枝番部分の詳しい識別方法は以下の通りです。
枝番部分(例:「01」)- 世帯主は「00」
- 家族は「01」「02」と続く
- 扶養家族の順番を表す
これらの番号体系により、医療機関での本人確認や保険給付の管理が正確に行えるようになっています。
社会保険と国民健康保険の違い

社会保険と国民健康保険証の違いは、その加入できる対象者です。
社会保険は会社員や公務員とその家族が対象となり、被保険者の給与に応じた保険料が設定されます。一方、国民健康保険はフリーランスや自営業者、再就職していない無職の方が対象で、世帯の所得に応じて保険料が決まります。
- 社会保険の仕組みと特徴を教えてください。
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社会保険は「被用者保険」とも呼ばれ、会社員や公務員を対象とした医療保険制度です。
保険料は給与から天引きされ、事業主と被保険者で折半するのが特徴です。
加入手続きは会社を通じて行われ、扶養家族も一定の収入基準を満たせば加入できます。
また、保険料は標準報酬月額に基づいて計算され、給与水準に応じた負担となります。 - 国民健康保険の加入対象者について教えてください。
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国民健康保険は、健康保険に加入していない方のための医療保険制度です。
フリーランスや自営業者、再就職していない無職の方など、幅広い層が対象になっています。 - 国民健康保険の保険料はどのように決まりますか?
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保険料は世帯の所得や自治体によって異なり、加入者が直接納付する必要があります。
加入・脱退の手続きは居住地の市区町村で行い、世帯単位での加入が基本となります。
後期高齢者医療制度について

後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者(一定の障害がある65歳以上の方を含む)を対象とした医療保険制度です。
- 後期高齢者医療制度の加入方法を教えてください。
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都道府県単位で設置された後期高齢者医療広域連合が運営しており、75歳以上は自動加入で、65歳〜74歳の障害のある方は申請により加入できます。
- 保険証の色は何色になりますか?
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保険証は緑色で自動発行されます。
- 後期高齢者医療制度の負担割合を教えてください。
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医療費は原則1割負担(現役並み所得者は3割)です。
マイナンバーカードと健康保険証について

- マイナンバーカードは健康保険証として利用できますか?
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マイナンバーカードは、医療機関受診時に健康保険証として利用可能です。令和5年4月1日より保険医療機関・薬局においてマイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認のシステム導入が原則として義務づけられており、すでにほとんどの保険医療機関・薬局において導入されています。
また、オンライン診療での本人確認にも活用できます。 - マイナンバーカードを健康保険証として利用する方法を教えてください。
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マイナンバーを健康保険証として利用を希望するには、以下の手順で切り替えをする必要があります。
- マイナンバーカードをカードリーダーまたはスマートフォンで読み取り
- マイナポータルにログイン
- 「健康保険証利用の申込」を選択
- 利用規約を確認し、同意
- 申し込み完了
- マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリットを教えてください。
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マイナンバーカードを健康保険証として利用すれば、様々なメリットがあります。
1. 保険証の持ち歩きが不要
2. 受付時間の短縮
3. 薬剤情報や特定健診情報の確認が容易
4. 転職時も手続き不要
5. 限度額認定証の手続き省略可能
これらのメリットに加え、医療機関や薬局間での情報共有がスムーズになり、重複診療や重複投薬を防ぐことができます。
また、災害時に保険証を紛失した場合でも、スムーズに医療サービスを受けることが可能です。
まとめ
健康保険証は加入者の職業や年齢、生活状況に応じて、健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度に分類され、それぞれ保険証の種類が異なります。
近年ではマイナンバーカードを健康保険証として利用できる制度も始まり、デジタル化が進むことにより、医療サービスの質の向上が期待されています。
日本の保険証制度は社会保障の重要な基盤として機能しており、制度を正しく理解し適切に利用することで、必要な時に必要な医療サービスを受けられるように整備されています。
健康保険証の種類や仕組みを正しく理解することも、自身の健康を守ることにつながります。