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開業医が儲からない理由は?儲からない特徴などを紹介

                   
投稿日: 2024.01.17
更新日:2024.03.06
                   

「医者」と聞くと、裕福なイメージを持つ方も多いかと思います。しかし実際は、医者だからといってすべての人が儲かっているわけではありません。この記事では、儲からない開業医の特徴や、開業医として成功するための秘訣を解説します。開業を考えている医師の方も医者という職業に興味があるそのほかの職業の方も、ぜひご覧ください。

開業医は儲かるのか?

開業医は儲かるのか?

医師の勤務形態は、大きく「勤務医」と「開業医」に分けられます。大学病院や総合病院、クリニックなどに雇用されて診療を行うのが勤務医、自身で医療機関を開設し、経営と診療の両方を行うのが開業医です。

医師免許取得後は、勤務医として経験を積み、経験や知識をある程度つけた段階で開業を考え始める人が多いかと思います。では、開業医は勤務医と比べて儲かるのでしょうか。

開業医の収入は勤務医より多い

一般的に「開業医は勤務医よりも儲かる」というイメージがあるかと思いますが、そのイメージは間違いではありません。厚生労働省の調査でも、開業医は勤務医の1.7〜1.8倍の収入を得ているという調査結果が出ています。

具体的な額でいうと、勤務医の平均年収は1500万円弱、開業医の平均年収は2500〜2800万円ほどとなっており、開業医のほうが勤務医よりも収入が多いことがわかります。

開業医と勤務医の年収の違い

しかし、開業医は勤務医よりも年収が多いものの、そのすべてを自由に使えるわけではありません。

開業医の場合、税金や経費などの出費が必要となるため、実際の手取りとしては1600万円前後になってしまうのです。勤務医の手取りは1000万円前後ですので、その額と比べると1.6倍と年収よりも下がっていることがわかります。

また、開業医は診療だけをしていればいいわけではありません。経営者として、事務作業やスタッフの採用活動、クリニックを知ってもらうための宣伝活動、医療機器の選別・導入、外注業者とのやり取りなど、さまざまな業務が発生します。
勤務医よりも業務の幅が広がり、ボリュームも大きくなりますので、時給に換算すると勤務医と同等、もしくはそれ以下という場合もあります。

儲からない開業医の特徴

開業医の年収は高いものの、諸経費などが多くかかり業務ボリュームも大きくなりがちなため、自由に使えるお金や時間は少ない場合も多いということを説明しました。しかし実際には、開業医の中には儲かっている医師も少なからず存在します。

では、開業医として経営を軌道に乗せ、余裕のある生活を送るためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。まずは、儲からない開業医の特徴を説明します。

運営方針が明確でない・経営スキルが足りない

運営方針が明確になっていない状態で開業をしてしまうと、儲からない可能性が高まります。

これは、クリニックとしての方向性が定まらない状態だと、患者さんに不信感を与えてしまったり、スタッフとの連帯感が生まれなかったりするためです。方針がころころ変わったり、ぶれたりする状況は、医師やスタッフの意識や認識に差がある状態です。

この状態では、患者さんに悪い印象を与えて来院数が減ってしまったり、スタッフの離職率が高くなって採用活動にコストがかかってしまったりします。

また、経営スキルが足りていない状態で開業医になることも、儲からない開業医になってしまう可能性を高めます。開業医は、クリニックの長としてスタッフをまとめ、集患戦略を練り、収支を管理していく必要があります。

コンサルタントなど外注業者からの経営におけるサポートを受ける場合もありますが、そのような場合にも外注業者を選定する目が必要となります。

そのため、どのようなスタイルで経営を行っていくにせよ、経営スキルは少なからず必要だと考えておきましょう。

スタッフとの連携がとれていない

スタッフとの連携は、開業医として経営を軌道に乗せるためには必要不可欠です。

前述したように、スタッフとの連携がうまくいっていない状態は、患者さんへ不信感を与えたり、患者さんからクレームが発生したりする可能性を高めます。

このような状態では集患はうまくいかなくなってしまいますので、スタッフとしっかりコミュニケーションをとり、意識を統一させておく必要があります。

また、連携をとる必要があるのは、クリニックで雇用しているスタッフだけではありません。開業医になると、税理士や弁護士、外部の検査業者など、さまざまな職種の人たちと関わる必要があります。医療従事者ではない人にも自身の運営方針を明確に伝え、しっかりと連携をとれる関係性を作る必要があります。

開業医が向いている人の特徴

では、開業医としてうまく経営を行っていくためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。開業医が向いている人の特徴を説明しますので、ぜひ参考にしてください。

コミュニケーション能力が高い

「儲からない開業医の特徴」でも説明したように、コミュニケーション能力は、スタッフとの連帯感を高め、外部業者とうまく連携していくための必須能力です。

また、コミュニケーション能力が高い医師は、患者さんの悩みや思いをくみ取ることができ、ニーズに沿った診療を提供しやすくなります。かかりつけのクリニックとして継続して来院してくれる患者さんも増えるでしょう。

このようなことから、集患がうまくいく可能性が高くなるため、コミュニケーション能力が高い医師は開業医に向いているといえます。

経営センスがある

経営センスは、開業医として持っておきたいスキルです。スタッフを育成・マネジメントする能力や、予想外の事態が起きた際の判断能力など、経営センスという言葉にはさまざまな意味が含まれます。

「センス」という言葉だけを見ると、生まれ持った素質のように感じることもあるかもしれませんが、実際には経験や知識で培われる能力も多々含まれています。

開業医として経営がうまくいっている先輩医師に話を聞いたり、セミナーなどに参加したりして養える能力が多くありますので、勤務医の段階から経営センスを磨くための準備をしておくといいでしょう。

地域医療貢献をしたいなどの明確な目的がある

開業するにあたり、何を目的に開業したいと考えているのかを明確にしておくことはとても大切です。「〇年働いたからそろそろ開業しようかな」「先輩に勧められたから開業しようかな」など、なんとなく開業を考え始める方もいるかもしれません。

もちろん、それもきっかけとしては悪くありませんが、そのうえで目的意識を持って開業をしないと、クリニックとしての方向性や運営方針がぶれる可能性があります。

また、大学病院や総合病院など大きな病院の勤務医と、クリニックの開業医としての違いの一つに、「開業医は、より地域に密着した医療を提供する必要がある」という点が挙げられます。大きな病院と違い、地域のクリニックは、基本的にはその地域に住んでいる人や働いている人が体に不調を感じた際に足を運ぶ場所だからです。地域には、その地域独自の慣習や人柄の傾向などがありますので、それを受け入れ、そこに住む人たちに医療貢献したいという思いをしっかりと持つことも、地域の一員としてクリニック経営をしていくためには重要です。

開業医が向いていない人の特徴

開業医が向いていない人の特徴

次に、開業医が向いていない人の特徴を説明します。開業を考えている医師の方は、自分自身の性格や考えと照らし合わせ、確認してみてください。

チームや組織が苦手

開業医になると、クリニックのトップとして看護師や医療事務スタッフなど複数のスタッフとチームとして働いていく必要が出てきます。
大きな病院のように人数は多くありませんが、その分、固定されたメンバーと毎日顔を合わせ、診療を行わなければなりません。チームワークが必要になる環境ですので、そもそもチームや組織の中で働くのが苦手という方は、開業医に向いていない可能性があるでしょう。

医療の仕事以外したくない

診察や検査、治療、薬の処方といった、医療業務以外をしたくないと考えている方も、開業医には向いていない可能性が高いといえます。
前述したように、開業医になるとこういった医療業務以外にも、売上管理や在庫管理、スタッフの採用・育成・管理、集患業務、外注業者や銀行との取引など、さまざまな業務が発生します。

もちろん、すべてを開業した本人がやり続ける必要はなく、一部をスタッフや外注業者に任せることもできます。

しかし、医療以外の業務を完全にゼロにすることは困難です。そのため、医療以外の経営にかかわる業務をやりたくない場合は、開業医は向いていないといえるでしょう。

継続力が低い

開業医として経営を軌道に乗せるためには、長期的な視点が必要となります。そのため、短期的な視点しか持てない場合や、長期的に物事を続けることが難しい場合には、開業医は向いていない可能性があります。

また、それと同様に、目先の利益ばかりを重視してしまう場合にも、開業医として成功するのが難しくなる可能性があるでしょう。長期的な視点を持たずに目先の利益ばかりを追求していれば、一時は患者さんが多く来院してもその後が続かず、スタッフもそのような経営戦略に嫌悪感を抱く可能性があるからです。患者さんやスタッフにとって長く通院しいたい、働きたいと思える環境を作ることが、開業医として経営を軌道に乗せるためにも大切だといえます。

開業医として成功するポイント

開業医に向いていない人の特徴を読み、「自分には開業は向いていないかも」と感じた方もいるかもしれません。しかし、開業医として明確な目標を持っているのであれば、まだあきらめる必要はありません。開業医として成功するポイントを下記にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

好立地で開業する

開業する理由の一つに「地元に帰って地域医療に貢献したい」というものがあるかと思います。

しかし、何も考えずに開業する場所を選んでしまうのは、儲からない可能性を高めます。地域によって、集患の難しさや患者さんの数には違いがあるからです。

例えば東京の都心部で開業したいと考えた場合、クリニックが多くある地域のため競争が激しく、うまく集患できなければ来院数が伸び悩む可能性があります。

一方で、地方で開業をする場合、医師不足に悩む地域であれば集患対策をしなくても患者さんの数が保たれる可能性もありますが、高齢化が進んでいる地域で産婦人科や美容皮膚科を開業しても、そのニーズを持った患者さんは少ない可能性があります。

地域によって、住民のニーズや数、クリニックの多さには違いがありますので、そういった点を考慮しながら自身のクリニックにあった地域を選びましょう。

業務効率化をはかる

業務効率化をはかることも、開業医として成功するためには大切です。例えば、電子カルテや予約システム、セルフレジといったシステムを取り入れることは、業務の簡略化や作業時間の短縮につながります。それによりスタッフの人数を削減でき、人員コストを抑えることができるでしょう。また、院内の動線を工夫することも業務効率化の一つです。診察から検査、処方と、一連の流れを無駄なく行えるような院内デザインは、医師やスタッフの稼働率を高めてくれます。

優秀な人材の獲得と育成

また、一緒に働くスタッフのスキルや人柄も、開業医として成功するためには欠かせないポイントです。優秀な人材を獲得できれば、クリニックの経営は軌道に乗りやすくなります。最初からすべてを完ぺきにこなせる人材はそう多くありませんので、優秀な人材になるよう育成する長期的な視点も大切です。優秀な人材を獲得・育成できるよう、給与や福利厚生など、スタッフの雇用条件を定期的に見直すことも必要です。

売上を上げる努力や経営規模拡大を目指す

開業医として「儲かっている」状態を目指すのであれば、経営が軌道に乗った後は売上増加や経営規模拡大のための戦略を練る必要があります。インターネットなどを用いた集患対策や、自由診療など診療内容の拡大、分院の展開などを試み、さらなる売上拡大を目指しましょう。

まとめ

儲からない開業医の特徴を中心に、開業医と勤務医の年収の違いや、開業医として成功するために大切なことを解説しましたが参考になったでしょうか。繰り返しお伝えしているように、開業医は勤務医とは異なるスキルや業務が求められます。事前にそれらに備えておくとともに、必要に応じて外部の専門家や先輩医師などに助言を求めることが大切です。