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顔認証付きカードリーダーの無償提供はいつまで?オンライン資格確認の導入手順や補助金申請についても解説

                   
投稿日: 2024.06.07
                   

2021年10月より開始されたオンライン資格確認は、マイナンバーカードを利用して患者さんの資格情報をオンラインで確認できる新しい保険制度です。2023年4月以降は原則義務化され、多くの医療機関や薬局で導入が進められています。本記事では、オンライン資格確認の概要や導入の背景、具体的な導入手順、補助金の申請方法、そして顔認証付きカードリーダーの無償提供期限などについて詳しく解説します。

オンライン資格確認とは

オンライン資格確認は、マイナンバーカードを利用して患者さんの保険資格を即時に確認できるシステムです。ここでは、オンライン資格確認の概要や導入状況、義務化について解説します。

概要

オンライン資格確認は、マイナンバーカードを利用して、医療機関や薬局の窓口で患者さんの健康保険証の資格情報を即時に確認できる仕組みです。患者さんの同意のもと、過去の特定健診情報や薬剤情報などの医療情報も参照できるようになります。これにより、的確な診断や適切な処方につながることが期待されています。さらに将来的には、自身のスマートフォンを保険証代わりとして使えるようになる予定です。

オンライン資格確認は、医療のデジタル化を推進する上での重要な基盤となるシステムです。患者さんと医療機関双方にとって、利便性の向上や業務効率化につながることが見込まれています。また、正確な資格確認により、医療保険制度の適正な運営にも寄与すると考えられています。

原則義務化

オンライン資格確認は医療DXの要となるシステムであることから、その導入が原則として義務付けられることになり、保険医療機関および薬局については、2023年4月からオンライン資格確認導入が原則義務化されました。

また、指定訪問看護事業者に対しても、オンライン資格確認の導入が義務付けられることになっています。訪問看護の分野では、オンライン請求と合わせてオンライン資格確認を導入することで、業務効率化や医療の質の向上などのメリットが期待されています。具体的には、2024年6月からオンライン請求およびオンライン資格確認の導入を開始し、保険証廃止時期には完全に義務化されます。ただし、やむを得ない事情がある訪問看護ステーションについては、一定の猶予期間が設けられる予定です。

導入状況

オンライン資格確認の導入は着実に進んでおり、2024年3月末時点で全国の医療機関や薬局のうち、90%以上がシステムの導入に向けた手続きを進めています。

病院に限ってみると、99.2%がポータルサイトへのアカウント登録を済ませており、実際にシステムを運用している病院も98.2%に上ります。医科診療所でも、アカウント登録率が94.8%、運用率が89.7%となっています。同様に、歯科診療所ではアカウント登録率が93.3%、運用率が86.2%、薬局ではアカウント登録率が85.3%、運用率が95.6%という状況です。都道府県別に見ても、ほとんどの地域で9割以上の医療機関がオンライン資格確認の運用を開始しています。

オンライン資格確認の導入手順

オンライン資格確認の導入手順

オンライン資格確認を導入するためには、いくつかの手順を踏む必要があります。ここでは、医療機関や薬局の担当者の方を対象に、アカウント申請から運用開始までの流れを詳しく解説します。

アカウント申請

まず初めに、「医療機関等向け総合ポータルサイト」にアクセスし、アカウント登録を行います。アカウント登録に際して費用はかかりません。

ユーザー登録ページでは、担当者の氏名や所属機関の種別(医科、歯科、調剤、訪問看護、職域)を選択します。続いて、都道府県名と医療機関コード(7桁)を入力します。10桁の医療機関コードは自動的に補完されます。

さらに、医療機関名や開設者名、連絡先の電話番号とメールアドレスを記入します。最後に、セキュリティの観点から適切な強度のパスワードを設定し、確認のためにもう一度入力すれば登録完了です。

顔認証付きカードリーダーの申し込み

オンライン資格確認を導入するためには、顔認証機能が付いた専用のカードリーダーが必要になります。ポータルサイトから「顔認証付きカードリーダー申請書」をダウンロードし、必要事項を記入のうえ申し込みをします。無償提供の期限は、2023年1月13日までに申請を完了する必要があるとされています​ 。

システムベンダーへ発注

オンライン資格確認の導入には、自院の電子カルテシステムやレセコンシステムの改修が必要になることが少なくありません。そのため、早い段階でシステムベンダーに相談し、必要な準備を進めておくことが大切です。

ベンダーへの発注に際しては、まず現在使用中のシステムがオンライン資格確認に対応可能かどうかを確認します。未対応の場合は、対応に向けた改修や新規導入などの措置が必要になります。

また、オンライン資格確認に対応した機能を実装するためのカスタマイズ費用や、導入後の保守費用なども見積もっておく必要があるでしょう。これらの費用は医療機関の負担になるケースが多いため、計画的に予算を確保することが求められます。

導入作業

「医療機関等向け総合ポータルサイト」で、オンライン資格確認の導入に必要な利用申請を行います。利用申請後に、運用テストを実施します。

自院の電子カルテやレセコンとの連携テストを行い、動作確認を行います。トラブルが発生した場合は、システムベンダーに依頼し原因の特定と修正を行います。また、OCR機能の精度確認や、差額計算ロジックの検証なども、この段階で念入りにチェックしておきましょう。

また、事務スタッフに対する操作トレーニングも重要です。新しいシステムの概要や基本的な操作方法について、分かりやすく説明する機会を設けましょう。受付窓口でのオペレーションに大きな変更が発生する場合は、シミュレーションを繰り返すなどして、本番の運用開始で混乱が生じないよう入念に準備しておくことが求められます。想定されるトラブルへの対処法や効率的な運用フローの検討など、マニュアルや手順書の整備も必要です。

運用準備

導入作業が一通り終わったら、いよいよ本格運用に向けた準備です。まずは院内スタッフ全員に対して、オンライン資格確認のメリットや意義について説明し、協力を仰ぎます。患者さんへの告知も欠かせません。院内掲示やホームページ、リーフレットの配布などを通じて、オンライン資格確認を開始することを周知しましょう。マイナンバーカードの準備を呼びかけることも大切なポイントです。

オンライン資格確認の補助金申請と顔認証付きカードリーダーの無償提供

オンライン資格確認の導入には一定の費用がかかるため、国では医療機関や薬局に対してさまざまな財政支援を行っています。ここでは、オンライン資格確認の導入や運用に関連する補助金や、顔認証付きカードリーダーの無償提供について詳しく解説します。

オンライン資格確認導入時の補助金

オンライン資格確認の導入に必要な費用の一部を補助する補助金制度があります。顔認証付きカードリーダーの追加購入費用やシステム改修費用など、オンライン資格確認の導入で発生する費用が対象です。医療機関の種類によって補助金の上限額は異なり、例えば病院では事業額の420.2万円を上限にその1/2が補助されます。


ただし、補助金の申請期限は基本的には2023年6月30日までであり、やむを得ない事情により猶予届を提出し受理された医療機関・薬局であっても2024年6月30日が補助金の申請期限となりますので注意が必要です。

申請手順

補助金の申請は、オンラインまたは書面での手続きが可能です。オンラインで申請する場合は、「医療機関等向けポータルサイト」から専用の申請画面にアクセスし、必要事項を入力します。一方、書面で申請する場合は所定の申請書をダウンロードし、必要事項を記入のうえ、証拠書類を添えて事務局まで郵送します。申請書の様式は、顔認証付きカードリーダーの申込時期等によって異なるので注意が必要です。

・必要な書類

補助金の申請には、次の書類の提出が求められます。まず、システム事業者から発行された領収書の写し、および領収書の内容を詳しく記した内訳書の写しが必要です。

また、システム整備が全て完了したことを報告するための事業完了報告書も用意しておく必要があります。一定期間内の契約により補助金が増額となる場合は、システム事業者との契約書の写しも用意しておきましょう。

顔認証付きカードリーダー増設時の補助金

マイナ保険証利用促進のための医療機関等への支援に係る助成金、という名目で補助を受けることもできます。こちらはオンライン資格確認を導入済みの医療機関が、マイナ保険証の利用促進のために、さらに顔認証付きカードリーダーを追加購入する際に受けられる補助金制度です。助成金額は医療機関の形態および、顔認証付きカードリーダーの増設台数によって変わりますが、例えば、顔認証付きカードリーダーを1台増設した病院の場合は、助成率が50%、かつ限度額が27.5万円の範囲内で助成を受けることができます。

・対象条件と期間

まずは助成金申請の対象になっているかどうかを確認します。2023年10月から2024年3月までのいずれかの月のマイナ保険証の月間利用件数の総数が、1台あたり500件以上の保険医療機関等であることが対象条件です。2023年11月11日以降に生じた増設にかかる費用が補助対象となります。

・必要な書類

領収書の写し、および領収書内訳書の写しの提出が必要になります。見積書では精算したことの確認が取れず、証拠書類として認められませんので注意しましょう。領収書内訳書は税込みで領収書の内訳が記載されている必要があります。

顔認証付きカードリーダーの無償提供

オンライン資格確認の導入に必要な顔認証付きカードリーダーは、医療機関および薬局に無償提供されます。病院へは3台、診療所や薬局へは1台まで無償提供されます。それ以上の台数が必要な場合と、そのほかの機器類・ソフトウェアの導入や、既存システムの改修、ネット環境の整備などにかかった費用は、補助金の申請が可能です。

オンライン資格確認導入のメリットとデメリット

オンライン資格確認導入のメリットとデメリット

オンライン資格確認の導入は、医療機関や薬局にとって大きなメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、その両面について見ていきましょう。

メリット

オンライン資格確認を導入することで、受付業務の効率化と利便性の向上が期待できます。これまで手作業で行っていた保険証の確認作業が自動化されるため、窓口の混雑緩和や業務時間の短縮につながるでしょう。

また、マイナンバーカードを通じて患者情報を参照できるようになるため、過去の薬剤情報や特定健診情報などを活用し、より正確で質の高い診療が可能になります。

さらに、オンライン資格確認を導入した医療機関や薬局には、診療報酬や調剤報酬上の加算措置が設けられています。こうした政策により、導入の推進を後押しすることが期待されます。

デメリット

一方で、オンライン資格確認の導入にはいくつかのデメリットも存在します。特に高齢の患者さんなどICTに不慣れな方への対応は、医療機関側の大きな負担となる可能性があります。操作方法の説明やトラブル対応など、一定のサポートが必要になるでしょう。また導入には、それなりの準備期間と手間がかかります。電子カルテシステム等との連携や、スタッフ教育など、本格運用までにはさまざまな調整が必要不可欠です。加えて、既存システムの改修やネット環境の整備などにかかった費用など、一定の初期投資も避けられません。

顔認証付きカードリーダーの選び方

顔認証付きカードリーダーを選ぶ際は、設置場所や利用シーンを考慮しながら、適切な機種を選定することが大切です。

寸法や画面サイズ

まず着目したいのが、カードリーダーの寸法です。コンパクトなものから、大きなサイズのものまでさまざまなラインナップがあるので、設置するスペースに合わせて選びましょう。画面サイズも重要で、患者さんが利用しやすい大きさが求められます。小さいもので5インチ、大きいもので10インチ程度の画面サイズがありますので、自院の患者層に合ったものを選びましょう。

サポートの長さ

メーカーのサポート期間の長さも確認しておくべきポイントです。機器トラブルへの対応や操作説明など、長期的なサポート体制が整っているかどうかを見極めることが肝心です。サポート期間は5年程度のものが多いようですが、中には月額制で新品同等品との交換対応が可能な機種もあるようです。

読み取り機能の豊富さ

読み取り機能の豊富さも注目するポイントです。マイナンバーカードだけでなく、「ひとり親家庭等医療証」や「こども医療費受給者証」などに対応できれば、受付業務の効率化が図れるでしょう。中にはOCR機能を備え、記号番号などを自動読み取りできる高機能モデルもあります。

編集部まとめ

オンライン資格確認は、マイナンバーカードを利用して患者さんの保険資格をオンラインで即時に確認できる仕組みで、医療機関のデジタル化を推進する重要な政索の一つです。2023年4月から原則として全ての医療機関と薬局で導入が義務付けられ、本格的に運用が開始されています。その一方で、運用面での課題も少なくありません。保険制度の継続的な見直しは、より効率的で質の高い医療の提供に何より重要だと言えるでしょう。