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クリニックでのセルフレジの導入費用はいくらぐらい?セルフレジの種類や導入するメリットについても解説!

                   
投稿日: 2024.06.26
更新日:2024.07.11
                   

近年、クリニックにおいてもセルフレジの導入が進んでいます。セルフレジを導入することでクリニックには、会計業務の効率化や精算ミスの防止、人件費の削減という効果が期待できます。また、患者さんにとっても会計がスムーズに行えるため、待ち時間を短縮できるというメリットがあります。本記事では、クリニックでのセルフレジ導入費用の目安や、セルフレジの種類、導入するメリットなどについて解説します。セルフレジ導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

セルフレジとは

セルフレジとは

セルフレジとは、コンビニやスーパーなどでよくみかける、お客さん自身が商品のバーコードをスキャンし精算までを行う会計システムのことです。レジスタッフを介さずに精算を完了できるため、会計時間の短縮や人件費の削減につながります。ここでは、セルフレジの使い方や種類、フルセルフレジとセミセルフレジの違いについて解説します。

セルフレジの使い方

セルフレジの使い方は、機種によって多少の違いはありますが、基本的な流れは以下のとおりです。

  • バーコードをスキャンする
  • 支払い方法を選択する(現金、クレジットカード、電子マネーなど)
  • 精算をする
  • レシートを受け取る

医療機関の場合は、処方箋などのスキャンも必要になります。

セルフレジの種類と違い

セルフレジには、大きく分けてフルセルフレジとセミセルフレジの2種類があります。フルセルフレジは、商品のバーコードスキャンから精算までをお客さん自身が行うタイプです。一方、セミセルフレジは、商品のバーコードスキャンはレジスタッフが行い、支払い方法の選択や精算はお客さんが行います。

セルフレジ導入にかかる費用は?

セルフレジの導入には、初期費用や保守費用、POSシステムとの連携費用などが発生します。これらの費用は、機種や導入台数によって異なるため、事前によく確認しておく必要があります。ここでは、セルフレジ導入にかかる主な費用について解説します。

初期費用

セルフレジの導入には、機器の購入や設置工事などの初期費用が発生します。機種によって価格は異なりますが、一台あたり100万円前後が目安となっています。また、フルセルフレジとセミセルフレジ、どちらにするかによっても費用は変わってきます。機器の操作性や予算にあわせて、適切な機種を選ぶようにしましょう。

初期費用の内訳としては、以下のようなものがあります。

  • セルフレジ本体の購入費用
  • 設置工事費用(電源工事、ネットワーク設備工事など)
  • 周辺機器の購入費用(バーコードスキャナー、レシートプリンターなど)

これらの費用は、導入台数や要件によって大きく異なります。小規模なクリニックであれば、数百万円程度で導入できる場合もありますが、大規模な病院になると、数千万円以上の初期投資が必要になることもあります。導入前に、複数のメーカーから詳細な見積もりを取り、費用対効果を慎重に検討するようにしましょう。

保守費用

セルフレジの導入後は、定期的なメンテナンスやトラブル対応などの保守費用が発生します。保守費用は、機種や契約内容によって異なりますが、年間で数万〜数十万円程度が目安となっています。導入前に保守体制やサポート内容を確認し、長期的な運用費用も見積もっておくことが大切です。

保守費用の内訳としては、以下のようなものがあります。

  • 定期点検や清掃などの予防保全にかかる費用
  • 故障時の修理費用
  • ソフトウェアのアップデート費用
  • 消耗品の交換費用(レシートロールペーパーなど)

保守費用は、導入台数や契約内容によって変動します。単純に台数分の費用がかかるわけではなく、一定台数以上になると割引が適用されることもあります。また、保守サポートの内容によっても費用が異なります。24時間365日の対応が可能なプランもありますが、その分費用は高くなります。自院の運用形態に合わせて、適切な保守サポートを選ぶことをおすすめします。

POSシステム連携費用

医療機関では、セルフレジとPOSシステムを連携させることが一般的です。これにより、会計データの管理などを効率化できます。ただし、POSシステムとの連携には別途費用がかかります。連携費用は、POSシステムの種類や連携方法によって異なるため、導入前に確認しておく必要があります。金額は月額数万円程度のものが一般的なようです。

セルフレジを導入するメリット

セルフレジを導入することで、医療機関にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、会計待ち時間の短縮、精算ミスの防止や人件費の削減、感染症対策の3点について詳しく解説します。

会計待ち時間の短縮

セルフレジを導入することで、会計待ち時間を大幅に短縮できます。従来のレジシステムでは、会計時に待ち行列ができることがよくありました。特に、混雑時には、長い待ち時間が発生し、患者さんの満足度低下につながっていました。セルフレジであれば、スタッフを介さずに精算を完了できるため、会計処理にかかる時間を短縮し、患者さんの待ち時間を最小限に抑えられます。会計待ち時間の短縮は、患者さんの利便性を高めるだけでなく、医療機関の業務効率化にもつながる重要なメリットといえるでしょう。

精算ミスの防止や人件費の削減

セルフレジを導入することで精算ミスを防止し、人件費を削減できます。従来のレジシステムでは、会計時の現金授受やつり銭の計算などで、人為的ミスが発生するリスクがありました。また、会計スタッフを常時配置する必要があるため、人件費も高くなってしまう傾向にありました。セルフレジであれば、会計処理がシステム化されるため、精算ミスを防止できます。また、会計スタッフの配置が不要になるため、人件費の削減が可能になります。精算ミスの防止は、医療機関の信頼性向上にもつながり、また会計トラブルが減れば、クレーム対応への時間も削減でき、スタッフのストレス軽減にもなります。

感染症対策

セルフレジは、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症対策としても有効です。従来のレジシステムでは、会計時に患者さんとスタッフが対面で金銭の受け渡しをする必要がありました。これは、感染リスクを高める要因の1つでしたが、セルフレジであれば患者さんとスタッフの接触を最小限に抑えられます。また、待合室の混雑や会計カウンターでの密集も緩和できるため、感染リスクを下げられます。

セルフレジ導入時に注意すべき点は?

セルフレジ導入時に注意すべき点は?

セルフレジの導入には多くのメリットがある一方で、注意すべき点もあります。ここでは、セルフレジ導入時に確認しておくべき、操作性やサポート体制などについて解説します。スムーズな導入と運用を実現するために、これらの点に十分注意を払っておきましょう。

操作性や設置場所を確認する

セルフレジ導入時は、機器の操作性を確認することが大切です。患者さんが戸惑うことなく、スムーズに会計を進められるように、わかりやすい操作画面やガイダンスが用意されているかチェックしましょう。高齢者や機器の操作に不慣れな患者さんでも、簡単に使えるシステムであることが求められます。また、セルフレジの設置場所や動線にも注意が必要です。狭い場所に設置すると、混雑時に患者さん同士の接触や混乱を招いてしまいます。患者さんがセルフレジにアクセスしやすく、会計がスムーズに行えるよう、レイアウトを工夫しましょう。導入前に、設置場所や動線を検討し、運用面での問題がないかシミュレーションしておくことが重要になります。操作性や運用に問題があると、患者さんの満足度低下につながるだけでなく、患者さんからの問い合わせや操作サポートが増え、逆にスタッフの負担が増加し、本来の業務に支障をきたすことにもなりかねません。導入前のデモンストレーションや試用期間を設け、操作性を十分に確認しておくことをおすすめします。

サポート体制を確認する

セルフレジ導入時は、メーカーやベンダーのサポート体制を確認することも重要です。トラブルや不具合が発生した際に、迅速に対応してもらえるサポート体制が整っているかをチェックしましょう。24時間365日の対応が可能か、遠隔サポートの有無なども確認が必要です。また、セルフレジの導入後も、定期的なメンテナンスやアップデートが必要になります。これらの作業を円滑に行えるよう、メーカーやベンダーとの連携体制を整えておくようにしましょう。特にソフトウェアのアップデートは、セキュリティ面での重要性が高まっています。定期的なアップデートが可能か、費用負担はどうなるかなども、事前に確認しておきましょう。サポート体制が不十分だと、トラブル発生時に適切な対応ができず、診療に支障をきたすことも考えられます。また、メンテナンスやアップデートが滞ると、システムの脆弱性が高まり、情報漏えいなどのリスクにもつながります。導入前に、各メーカーのサポート体制を十分に比較検討し、長期的な運用を見据えた導入準備が求められます。

2024年最新のおすすめセルフレジ

ここでは、2024年現在、医療機関におすすめのセルフレジを4つ紹介します。それぞれの特徴や価格帯、導入事例などを参考に、自院に合ったセルフレジを選んでみてください。

GENOVA「NOMOCa-Regi(ノモカレジ)」

NOMOCa-Regi(ノモカレジ)とは、クリニック専用に開発されたセルフレジです。投入された紙幣や硬貨を素早く正確に読み取ることはもちろん、電子カルテやレセコンとデータの連携を行うことで、正確な請求と詳細な支払いの記録をつけることができます。キャッシュレス決済にも対応しているため、患者さんの利便性を高めるとともに、金銭授受の間違いを大幅に削減することができます。

ビジコム

ビジコムは、豊富な機能と高いカスタマイズ性が魅力のセルフレジシステムです。クレジット・ICカード・QRコード決済にも対応しており、キャッシュレス決済が可能となっています。また、データは連携しないため、セキュリティ面でも安全性を確保しているといえるでしょう。価格は1台あたり約100万円となっており、大規模病院を中心に導入が進んでいます。

ハヤレジ

ハヤレジは、コンパクトな設計と低価格が特徴のセルフレジシステムです。約8割の電子カルテやレセコンと連携可能であり、業務の効率化を図ることが可能です。オプションでバーコードでの運用やキャッシュレス決済にも対応が可能です。電話によるサポート体制も整備されているため、その点安心できるといえるでしょう。

日立チャネルソリューションズ「クリニック向け自動受付精算機セルフォート」

セルフォートは、日立チャネルソリューションズが提供する医療機関向けのセルフレジシステムです。電子カルテとのシームレスな連携により、会計業務の大幅な効率化が期待できます。診察券のQRコードをリーダーにかざし、画面のタッチ操作で簡単に受付および精算を行うことができます。オプションで、音声ガイダンスを通じて操作を支援する機能もあります。

これらのセルフレジは、いずれも医療機関での導入実績が豊富で、高い評価を得ています。ただし機能や価格帯はそれぞれ異なるため、ニーズや予算に合わせて選ぶことが大切です。導入前には、実機を見ながらデモンストレーションを受けるなど、慎重に比較検討することをおすすめします。

編集部まとめ

医療機関におけるセルフレジ導入について、メリットや注意点、おすすめ製品などを詳しく解説してきました。セルフレジを導入することで、会計待ち時間の短縮や精算ミスの防止、人件費の削減、感染症対策など、さまざまなメリットが期待できます。一方で、導入費用がかかることやメーカーによって異なる操作性、サポート体制の違いなど、事前に確認すべき注意点があることもわかりました。

適切なシステムを選ぶためには、十分な情報収集と比較検討が必要不可欠です。セルフレジ導入は、医療機関の業務改革の第一歩となるでしょう。この記事が、導入を検討している方の一助となれば幸いです。