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皮膚科開業医の年収はどのくらい?開業するメリットや年収を増やす方法も解説

                   
投稿日: 2024.07.08
更新日:2024.07.08
                   

皮膚科の開業について考える際、年収は重要な要素の一つになります。一般的に皮膚科の開業医の年収は高い傾向にありますが、その具体的な額や変動要因について知ることは開業を検討するうえで欠かせません。本記事では、皮膚科開業医の年収や開業するメリット、皮膚科の開業医が年収を増やすための方法などについて解説します。皮膚科で開業を目指されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

開業医と勤務医の違い

開業医と勤務医の主な違いを教えてください。

病院や大学などに所属して給与を受け取る勤務医とは異なり、開業医は自ら病院やクリニックを経営する医師のことを指します。多くの場合、開業医は開業する地域の住民を主な患者層とし、地域に根差したクリニックの開設を目指します。開業医には、それぞれの診療科目において初期治療に対応できる総合的な能力が求められるため、内科や外科をはじめとする各専門分野の知識と技術を備えている必要があります。また、患者さんやスタッフとの良好な関係性を築くことも大切です。

皮膚科の勤務医が開業するメリットは何ですか?

勤務医が開業するメリットには下記のようなものが挙げられます。

・年収が大きく増える可能性がある

勤務医が開業するメリットは、経営が軌道に乗れば、収入が大幅に増える可能性があることです。開業医として成功すれば、勤務医だった頃と比べて労働時間が減少し、収入が増加するケースも珍しくありません。自分のペースで働き、より多くの収入を得ることができるのは、開業する魅力の一つといえるでしょう。

・自分が働きやすい環境を整えられる

皮膚科はほかの診療科目と比べて、緊急度の高い患者対応が少ない傾向にあります。しかし、勤務医は病院の勤務体制に従う必要があるため、自分の希望する勤務スタイルを実現することは難しいでしょう。一方で、開業医であれば診療時間や休診日を自由に設定できるため、ワークライフバランスを保ちながら働きやすい環境を整えることが可能です。また、勤務医の中には、職場の人間関係に悩んでいる医師も少なくありません。開業医になれば一緒に働くスタッフを自分で選ぶことができるので、相性の良いメンバーだけを採用し、ストレスの少ない職場環境を作ることができます。

・自分が理想とする医療を提供できる

勤務医として働く場合、病院の経営方針や勤務体制に従う必要があるため、自分が思うような医療を提供できないことにフラストレーションを感じる医師もいるかもしれません。病院の方針と自分の考えが合わないために、パフォーマンスを十分に発揮できない場合もあるでしょう。一方で、開業医になれば、診療方針を自分で自由に決めることができます。特に皮膚科は美容医療など自由度の高い診療が可能な分野です。自分のスキルや経験を活かし、患者さんのニーズに合わせたオーダーメイドの医療を提供できることが、皮膚科で開業することの醍醐味といえるでしょう。開業することで、自分の理想とする医療を追求し、やりがいを持って働くことができます。

皮膚科開業医の年収

皮膚科開業医の平均年収はいくらくらいですか?

厚生労働省の調査によると、皮膚科開業医の平均年収は約2710万円とされています。皮膚科の勤務医の平均年収は、独立行政法人労働政策研究・研修機構の資料では約1079万円となっているため、開業することで大幅な年収の増加が見込めるといえます。

ただし、上記の開業医の年収はクリニック全体の収益を指しており、開業医の実際の手取り額とは異なる点に注意が必要です。開業医の場合、クリニックの事業収益からさまざまな経費を差し引いた額が実際の年収になります。特に開業時に融資を受けた場合は、その返済に充てる額も少なくありません。そのため、手取りベースでの年収は平均よりも低くなるケースが多いでしょう。また、皮膚科開業医の年収は診療内容によっても変動します。保険診療のみを行う場合と、美容医療など自由診療を積極的に取り入れる場合とで収入に差が生じます。

(出典:勤務医の就労実態と意識に関する調査

(出典:第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告

皮膚科開業医の年収に地域差はありますか?

皮膚科開業医の年収には地域差があります。一般的に、都市圏や人口の多い地域では、患者数が多いためクリニックの収益が高くなる傾向があります。反対に、地方や人口の少ない地域では患者数が限られるうえに保険診療が中心となるため、収益は低くなりがちです。ただし地方でも高齢化が進む地域では、皮膚疾患を抱える患者さんが多いため、一定程度の需要を見込むことができるでしょう。また、都市圏でもクリニック間の競争が激しい地域では、集患が分散されるので必ずしも収益が高くなるとはいえません。皮膚科開業医の年収は、クリニックの立地や周辺の需要、競合状況などによって差が生じるため、開業を検討する際は地域の特性を十分に考慮する必要があります。

皮膚科で開業した際に年収が下がってしまう原因

皮膚科で開業した際に年収が下がってしまう原因を教えてください。

皮膚科の開業では、多くの場合で年収の増加につながりますが、必ずしもそうなるとは限りません。中には、開業後に勤務医の頃よりも年収が減ってしまったケースも見られます。年収が下がる主な原因には下記のようなものが挙げられます。

・経営スキルが不足していた

皮膚科の開業医は、医師としての経験や技術だけでなく、経営者としてのスキルも求められます。財務管理や経理、人事や労務管理、マーケティングなど、経営に必要な知識やノウハウは多岐に渡ります。年収を増やすためには、早期に経営を安定させる必要があります。そのため、医療知識だけでなく、経営に関するスキルを身につけていないと、年収が下がるリスクが高まります。

・集患に苦戦した

特に保険診療を中心とする皮膚科では、ほかの診療科と比べて一人当たりの診療単価が低い傾向にあるため、安定した患者数の確保が不可欠です。開業しても思うように患者さんが集まらない場合、経営が悪化してしまう可能性があります。集患にはさまざまな方法がありますが、まずは開業した地域の特性を理解し、それに合った手段を選ぶことが大切です。

皮膚科開業医が年収を増やす方法

皮膚科開業医が年収を増やすためにやるべきことを教えてください。

皮膚科で開業するなら、年収アップを目指したいと考える医師は多いでしょう。皮膚科で開業して年収を増やすためには、下記のポイントが大切です。

・事前に診療圏調査を行う

皮膚科は比較的幅広い年齢層の患者さんの来院が見込めますが、立地条件の選択は開業後の患者数に大きな影響を与えます。実際、皮膚科の開業で失敗したり年収が下がってしまったりした理由として、立地や物件選びの失敗を挙げる医師は少なくありません。自宅に近いなどの理由で開業場所を決めるのではなく、事前に診療圏調査を入念に行い、さまざまな角度から検討したうえで慎重に決定することが肝要です。

・インターネットを活用した集患対策を実施する

皮膚科の集患対策では、インターネットの活用が欠かせません。開業時にホームページを開設することに加えて、検索結果での上位表示を目指すSEO対策や、Googleマイビジネスへの登録によるGoogleマップ上での医院情報の掲載など、インターネットを効果的に活用しながら集患対策を進めることが求められます。

皮膚科開業医の年収を早く増やす方法はありますか?

皮膚科開業医の年収を早く増やす方法として、承継開業は検討に値する選択肢です。承継開業とは、既存の医院やクリニックを引き継いで開業する方法のことです。建物や医療機器、スタッフなどを引き継げるため、開業に必要な初期投資を抑えることができます。また、開業後の大きな課題である集患においても、承継開業の場合は既に一定の患者基盤がある状態から経営をスタートできるため、新規開業に比べて経営を安定させやすいという利点があります。患者数の確保に悩むことなく、スムーズに経営を軌道に乗せられれば、早期の年収アップも期待できるでしょう。

編集部まとめ

本記事では、皮膚科開業医の年収をテーマに、開業医と勤務医の年収の違いや、皮膚科で開業した際に年収が下がってしまう場合の原因、皮膚科開業医が年収を増やすためにやるべきことなどについて解説しました。この記事が皮膚科で開業を検討されている方の参考になりましたら幸いです。