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病院の待ち時間を短縮する方法とは?患者満足度を高める運営改善ポイントを解説!

                   
投稿日: 2026.01.13
更新日:2026.01.12
                   

病院での長い待ち時間は、患者さんの満足度はもちろん、病院への信頼や経営にもつながる重要な課題です。

本記事では、病院の待ち時間が患者さんに与える影響や待ち時間が長くなる背景、改善するために役立つツールや工夫を解説します。

病院の待ち時間が患者さんに与える影響

病院の待ち時間が患者さんに与える影響

病院での待ち時間は、患者さんにさまざまな影響を与えます。ここでは、実際の待ち時間がどのくらいであるかや、患者さんの満足度とどのような関係があるかを解説します。

病院の平均的な待ち時間

病院の平均的な待ち時間は実際どのくらいなのでしょうか。

厚生労働省の調査(令和5年)によれば、外来患者の診察までの待ち時間は15分未満が27.9%と最も多く、次いで15~30分未満が24.9%、30分~1時間未満が20.6%でした。

これらを合わせると待ち時間が1時間未満の患者さんは7割、待ち時間が1時間以上の患者さんは3割程度ということがわかります。

参照:『令和5(2023)年受療行動調査(概数)の概況』(厚生労働省) p4

待ち時間が長いことが患者さんに与える影響

患者さんは、何らかの体調の変化を自覚して病院を受診していることがほとんどです。体調が悪いなかで長時間待たされることは、身体的・精神的に大きなストレスとなります。

待っている間に不安やイライラが募り、病院への不満を感じやすくなると考えられます。

病院の待ち時間と患者満足度の関係

待ち時間の長短は患者さんの満足度と関係があります。

厚生労働省の調査では、診察までの待ち時間に対する不満を持つ患者さんは約25%で、診察時間や病院スタッフの対応といったほかの項目よりも不満度が高い結果でした。

一方で、待ち時間に関して満足であると感じている患者さんはわずか3割程度にとどまり、待ち時間は外来診療のなかで最も評価が低い要素でした。

この待ち時間への不満足さは、患者さんの総合的な医療機関満足度に影響する可能性があります。

このように、待ち時間を短縮すること、あるいは適切に管理することは患者満足度を高める上で欠かせない条件といえるでしょう。

参照:『令和5(2023)年受療行動調査(概数)の概況』(厚生労働省) p12

病院の待ち時間が長くなりやすい要因

病院の待ち時間が長くなりやすい要因

病院の待ち時間が長くなりやすい要因を知ることは、対策するために必要不可欠です。ここでは代表的な4つの要因を解説します。

患者さん数が受け入れ可能人数を超えている

来院する患者さんの数が医療機関の処理能力を上回れば、待つ時間もそれに比例して長くなってしまいます。

そのため対応可能な人数を把握し、診療体制に対して無理のない受け入れ枠を設定することが重要です。

診療フローが非効率的

診療フローが非効率であることも待ち時間を長くする原因の一つです。

受付から診察、検査、会計に至るまでの流れにおいて、それぞれの過程や移行の場面で無駄な時間が生じると、一人あたりにかかる時間が長くなります。

業務の無駄を見直すことで、患者さんの待ち時間を短縮できるだけでなく、結果としてより多くの患者さんを受け入れられるようになります。

システムだけ導入して現場のオペレーションが変わっていない

待ち時間短縮のために予約システムや電子カルテなどのツールを導入したものの、運用フローを見直さず従来どおりのやり方を続けているだけでは待ち時間は短縮されないことがあります。

導入したシステムを職員が十分に活用できていないと、システム導入の効果が発揮されません。

また、予約システムやWeb問診システムは、患者さんへの利用促進の働きかけが欠かせません。周知不足により患者さんの利用率が上がらなければ、待ち時間の改善にはつながりません。

混雑時間帯を考慮せず画一的に予約を入れている

混雑時間帯を考慮せず画一的に予約を入れている場合も、病院の待ち時間が長くなりやすい一因です。

患者さんの来院タイミングは、時間帯によって偏ることが少なくありません。朝の診療開始直後、昼休み前後、診療終了間際に患者さんが集中することがあるので、ピーク時の予約枠を調整することで待ち時間の短縮につなげられる可能性があります。

病院の待ち時間対策に役立つツール

病院の待ち時間対策に役立つツール

近年は政府が医療DXを推進していることもあり、待ち時間の短縮や業務の効率化に貢献するさまざまなツールが登場しています。ここでは、病院の待ち時間対策に役立つツールを解説します。

Web予約システム

Web予約システムは、患者さんがインターネットを通じて診療予約ができるツールです。

事前に予約を受け付け、順番を可視化することで来院時間を分散させ、待ち時間の短縮につながります。

順番受付のシステムを導入すれば混雑の波を小さくすることができ、患者さん側もいつ呼ばれるか見通しが立つため心理的負担が軽減します。例えば、『受付番号の5番前までに来院してください』といったルールを定めておくと、患者さんが時間を有効に使うことができます。

患者呼び出しシステム

患者呼び出しシステムは、順番が来た患者さんに対して自動で知らせるツールです。

院内の電光掲示板に受付番号を表示したり、音声で番号や名前を呼び出したりする方法が一般的ですが、近年では患者さんのスマートフォンに通知を送るアプリやSMSによる呼び出しも普及しています。

スマートフォンの呼び出しシステムを導入すると、患者さんは常に待合室で待機している必要がなくなります。

初診・再来自動受付機

初診・再来自動受付機は、患者さん自身で受付手続きを行える機器です。

再来受付機の場合、診察券を機械に通すだけで受付が完了し、受付票を受け取ることができるので混雑緩和につながります。

近年は、初診の患者さん向けに保険証などの読み取り機能を備えた機種もあり、自動受付機の活用により受付業務の負担軽減と待ち時間削減が同時に実現できます。

Web問診システム

Web問診システムは、患者さんが来院前にインターネット上で問診に回答できるツールです。Web問診システムを利用すると診察前の準備を効率化でき、結果的に診察当日の待ち時間短縮につながります。

患者さんは予約後に自宅で症状や既往歴、服用薬などを問診フォームに入力し送信します。これまでは来院後に受付で問診表を受け取って記載していた時間を短縮できるので、来院後の手続きがスムーズになり、診察までの待ち時間を短縮することができます。

また、医師や看護師が来院前に患者さんの情報を確認できるため、来院後の対応がスムーズに進み、医師の診療でも限られた時間のなかでより的確な判断がしやすくなります。

自動精算機

自動精算機は、診療後の支払いを患者さん自身で行える機械です。

紙幣や硬貨、クレジットカードなどに対応した端末により、受付スタッフを介さない会計処理が可能です。これにより会計窓口での待ち時間を大幅に短縮できます。

レセコン搭載型電子カルテ

レセコン搭載型電子カルテとは、電子カルテと医事会計システム(レセコン)が一体化したタイプの電子カルテです。

従来、カルテとレセコンが別々の場合は、診療行為をカルテに記録した後に、受付スタッフが診療報酬請求のためのデータをレセコンに二重入力する必要がありました。このため、カルテ記載後から会計完了までに時間がかかっていましたが、レセコン一体型電子カルテであれば、医師がカルテに入力した内容がそのまま会計・レセプト処理まで自動連携されるため、受付での会計時間が短縮されます。

病院の待ち時間に患者さんのストレスを緩和する方法

待ち時間を完全になくすことは難しくても、病院の待ち時間に患者さんのストレスを緩和する方法を検討することはできます。

まず、待ち時間のストレスは『あとどれくらい待てばよいののかわからない』という不安によって大きくなります。

この不安を取り除くために、デジタルサイネージやディスプレイなどで待ち時間の目安を可視化するという方法があります。順番が可視化され見通しができるようになると、苛立ちや不安感を軽減することができます。

また、待ち時間の過ごし方を充実させる工夫も大切です。

待合室に雑誌や新聞、テレビを置くのは従来から行われていますが、最近では無料のWi-Fi環境を整備したり、タブレットを用意して動画視聴ができる医療機関もあります。

さらに、患者呼び出しシステムなどのツールと組み合わせることで、さらなるストレスの緩和が期待できます。

開業時点で取り入れられる待ち時間対策

開業時点で取り入れられる待ち時間対策

病院やクリニックの開業時には、待ち時間をなるべく抑えるための仕組みをあらかじめ整えておくことが重要です。設計やシステム選定の段階から工夫を重ねることで、開院後の混雑や患者さんの不満を防ぐことができます。

ここでは開業時点で取り入れられる待ち時間対策についてそれぞれ解説します。

受付から会計までの動線をスムーズにする

病院やクリニックを開業する際は、受付から会計までの動線をスムーズにすることを意識しましょう。

患者動線とは、来院から受付、診察などを経て会計し、病院やクリニックを出るまでの一連の移動経路のことです。

これがスムーズでわかりやすいほど受付や会計で混雑が起きにくくなるので、院内レイアウト設計の段階から患者さんの動線を考慮しておくことが効果的です。

将来の患者数増加を見据えた拡張性を持たせる

将来の患者数増加を見据えた拡張性を持たせることも、待ち時間対策につながります。

開業当初は余裕がある待合スペースや診療枠も、経営が安定して患者さんの数が増えてくると手狭になる可能性があります。

そのため、将来的な患者さんの増加やニーズ変化に柔軟に対応できる設計にしておくとよいでしょう。

例えば、診察室をもう一つ増設できるような配管やレイアウトにしておく、待合室に予備椅子を配置できるスペースを確保しておく、などが考えられます。予算の範囲内で、開業時から可能な対策をとるようにします。

ツール導入時は連携と拡張性を意識する

開業時は電子カルテ、予約システム、検査システム、会計システムなどのさまざまなシステムを導入します。このときに、相互の連携性と拡張性に注目しましょう。

個別には便利なシステムでも、互いに連携しなければデータを二重入力することになるなどの手間が発生します。

例えば、予約システムで取得した来院予定情報が電子カルテに反映されたり、診療終了情報が自動精算機に連動して会計案内が出せたりすれば、スムーズな診療フローが実現できます。

近年の主要な電子カルテはレセコン一体型が多く、予約や問診システムとのAPI連携に対応したものも増えているので、将来の機能追加にも対応できる拡張性を考慮しておきましょう。

まとめ

まとめ

病院での待ち時間は、患者さんにとって心身の負担となるだけでなく、医療機関への満足度や信頼にも大きな影響を及ぼします。

長時間待たされることで不満を感じる患者さんは少なくありません。待ち時間への不満感が診療全体の評価を左右することもあります。

待ち時間を短縮するための対策として、予約の入れ方の工夫や、診療フローの効率化、そしてITツールの適切な活用などがあります。

特に、Web予約システムや自動受付機、患者呼び出しシステムなどを組み合わせると効果的です。

また、開業時点では将来的な拡張やシステム連携を見据えた設計を行うことで、長期的にスムーズな運営が可能となります。

待ち時間の短縮は単に時間を短くするだけでなく、長期的に患者さんの数を増加させていく取り組みでもあります。患者さんにとって快適で安心できる医療環境を整えるために、改善策を取り入れてみてください。