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遠隔診療についてのメリット・デメリットやオンライン診療との違いも紹介

                   
投稿日: 2024.01.17
更新日:2024.03.06
                   

近年では、新型コロナウイルスの感染拡大やインターネットの普及などにより、遠隔診療の導入を検討する医療機関が増えてきています。そこで本記事では、遠隔診療の特徴やメリット・デメリットなどについてまとめています。遠隔診療は日々需要が高まってきていますので、この記事を参考に理解を深めていただければ幸いです。

遠隔診療とは

遠隔診療とは

まずは遠隔診療とはなにか、どんな種類があるのか、オンライン診療との違いを紹介します。

遠隔診療ってなに?
患者さんと医師をインターネットでつなぎ、ビデオ通話やチャット機能などを使って診察することを遠隔診療と言います。診察の予約から処方、決済までのすべてをインターネット上で完結させることができるのが大きな特徴です。もともとは医療機関の少ない離島やへき地に住んでいる患者さんを対象としていましたが、厚生労働省の規制が緩和されたことや新型コロナウイルス感染症の流行がきっかけとなり、都心部でも徐々に利用されるようになってきています。
遠隔診療にはどんな種類があるの?
遠隔診療には、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを用いて行う方法があります。患者さんの都合の良い手段で、住んでいる場所などにとらわれることなく診療を受けることができます。また、診察などの医療行為だけでなく、見守りや健康増進、介護といった医療行為以外も遠隔診療の一環として扱われています。

なお遠隔診療は医療従事者と患者さんとの間で行われますが、医療従事者同士で行われる「遠隔医療」というものもあります。これには、遠隔での病理診断や画像診断、脳卒中・心臓血管・災害時などに対する救急医療支援、カンファレンスなどが含まれます。

地域の医療機関がネットワークを介して情報の伝達・共有をすることで、隔たりや偏りのない医療の提供が可能となります。

遠隔診療とオンライン診療の違いは?
遠隔診療とオンライン診療は同じ意味を持ちます。遠隔診療は1997年に始まり、もともとは電話での再診として利用されていました。そこから徐々に、患者さんの通院時間の軽減や非対面での診察が主な目的となり、医師の新しい働き方や診療方法として普及してきたのです。2018年の診療報酬改定の際には、呼び名が「オンライン診療」に統一されました。

遠隔診療のメリットは?

遠隔診療は患者さんと医師の双方にメリットがあると言われています。遠隔診療を導入することで主に「患者さんの負担軽減」「感染症対策」「事務担当者の負担軽減」といった3つのメリットがありますので、それぞれ解説していきます。

遠隔診療で患者さんの負担が減る?
インターネット環境さえ整っていれば、場所を問わず診察が受けられるのが遠隔診療の特徴です。
患者さんは、通院に車やバス、電車などを利用するため、通院するだけで心身ともに大きな負担がかかるでしょう。しかし遠隔診療を活用することで、遠方から通院する方や体調が悪くて家から出られないという方、仕事や育児で忙しくて病院に行く時間がないという方の負担を軽減できます。このように、診察が受けやすくなることは患者さんの通院継続率を上げるだけでなく、定期的に診察を受けてもらうことで患者さんの症状の変化を把握しやすいという医療機関側のメリットにもなります。

また、インターネット上で診察から支払いまで済ませることができるため、通院をためらう理由の一つでもある「長い待ち時間」をなくすことが可能となります。

遠隔診療は感染症の予防ができる?
医療機関において、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスといった感染症拡大のリスクを心配される方も多いかと思います。しかし、遠隔診療であれば患者さんと接する機会がなく、患者・医師ともに感染症の予防ができます。小さなお子さんやご年配といった免疫力の弱い方でも遠隔診療なら気兼ねなく診察を受けることができるでしょう。
遠隔診療は事務の負担を減らせる?
予約から受付、支払いまでのすべての手続きをインターネット上で行えるため、事務担当者の負担軽減が見込めるのもメリットの一つです。遠隔診療においても通常の診療と同様に予約の確認や処方せんの対応が必要になりますが、インターネット上での作業に慣れてしまえば、すき間時間や患者さんが少ないタイミングにまとめて事務処理を進めることができます。

遠隔診療のデメリットは?

遠隔診療のデメリットは?

メリットがある反面、デメリットももちろん存在します。ここからは「検査や処置ができない」「遠隔診療に適さない疾患がある」「コミュニケーションが取りづらい」という3つのデメリットについて詳しく説明していきます。遠隔診療の導入を検討しているクリニックはぜひ参考になさってください。

遠隔診療では検査や処置ができない?
骨折や捻挫といった整形外科疾患やぜんそく・慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった呼吸器疾患が疑われる場合、レントゲンでの検査や呼吸器検査などが必要になります。また、患者さんの状態によっては血液検査を行わなければならないこともあるでしょう。

しかし、遠隔診療ではこれらには対応できません。また、ケガの処置や緊急性が高い疾患の対応も難しいでしょう。遠隔診療だけですべての疾患に対応できるというわけではなく、時には対面診療と組み合わせて実施することが大切です。

遠隔診療で診察が難しい疾患と対応可能な疾患
遠隔診療では、前述した検査や処置だけでなく、触診や聴診を行うこともできません。そのため、頭痛や腹痛、排便異常、肺炎などに対する診察や切開・縫合などを要する切り傷・刺し傷への対応には適していません。

では、どのような症状に対応可能なのかと言うと、高血圧症や花粉症、生活習慣病の経過観察や目で見て診断できる湿疹、軽度のせきなどです。

ただ、これらの疾患以外にも、自覚症状を患者さんに確認することで診断できるケースもあります。

遠隔診療はコミュニケーションが取りづらい?
コミュニケーションが取りづらい点も遠隔診療のデメリットとして挙げられます。例えば、耳が遠い患者さんの診察を行う場合、対面診療であれば医師が近くに寄るなどしてコミュニケーションを取ることができますが、遠隔診療では患者さんに音量を調節してもらわなければなりません。

症状によっては、ビデオ通話ではなく写真や動画で説明したほうが伝わりやすい場合もあるため、患者さんの状態に合わせたツールを選択することが重要になります。

また、インターネットの接続状態によっては、お互いの声が聞き取りづらくなってしまうというケースもあります。そのような時に柔軟に対応できる準備をしたり、システムの操作に慣れていない方でも遠隔診療を受診できるようマニュアルの作成・配布を行ったりするなど、より多くの方が利用できるような対策を準備しておくことをおすすめします。

編集部まとめ

遠隔診療の概要やメリット・デメリット、オンライン診療との違いなどについてまとめましたがいかがでしたでしょうか。遠隔診療は、患者さんの都合の良い時間に、場所を問わず受けられる魅力的なサービスです。また、クリニックから遠く離れた場所に住む患者さんの診察や新しい患者さんの集患にもつながるため、医療機関側としてもメリットが多くあります。新型コロナウイルスの感染拡大には引き続き注意が必要ですし、高齢化が進むにつれて遠隔医療の需要はさらに高まっていくことでしょう。今後の新しい診療の形として、ぜひ遠隔診療の導入を検討してみてください。