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医院が選ぶべきオンライン診療システムのポイントと選び方|オンライン診療システム10選を紹介

                   
投稿日: 2025.10.03
更新日:2025.11.13
                   

オンライン診療システムは、コロナ禍を契機に急速に普及し、患者さんの利便性向上や医院の業務効率化に欠かせない存在となっています。通院の負担を軽減しながら、予約や診察、決済まで一元的に管理できる点も大きな魅力です。さらに、感染症対策や地域医療の強化の観点からも導入の重要性は高まっています。本記事では、導入を検討するクリニック向けに、選び方のポイントやおすすめのオンライン診療システム10選をわかりやすく紹介します。

オンライン診療システムとは?仕組みと普及の背景

オンライン診療システムとは?仕組みと普及の背景

オンライン診療システムは、患者さんと医師が遠隔で診察を行うための仕組みを支えるITツールです。本章では、基本的な使用の流れや必要な機能、コロナ禍による普及の背景、さらに今後クリニックで導入が求められる理由を解説します。

オンライン診療の基本的な仕組み

オンライン診療は、患者さんが自宅や職場からスマートフォンやPCを使い、医師とビデオ通話で診察を行う仕組みです。診療前にWebやアプリを通じて予約や問診票の入力を行い、診察後は、電子カルテに記録が残ります。処方箋は薬局にデータが送信され、薬剤を受け取る流れも整備されています。また、クレジットカード決済やオンライン決済に対応しているシステムも多く、通院せずに診察から会計まで完結できる点が特徴です。

コロナ禍をきっかけに普及が進んだ背景

オンライン診療は以前から制度化されていましたが、普及が加速したのは新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけでした。通院による感染リスクを避けつつ、慢性疾患の再診や継続治療を可能にする仕組みとして注目を集めました。厚生労働省の規制緩和や診療報酬の対応拡大も追い風となり、多くの医療機関が導入を検討するようになっています。オンライン診療の普及により、患者さんにとっては便利に受診できる環境が整い、医療機関にとっても院内感染リスクを軽減しながら診療を継続できる基盤が構築されています。

医院にとって導入が求められる理由

今後もオンライン診療は、地域医療や高齢化社会のなかで重要な役割を果たします。患者さんは通院負担を減らせる一方で、医院側は予約管理や診療データを効率的に運用でき、業務負担の軽減につながります。また、電子カルテやレセコンとの連携によって診療の質を高められる点も大きなメリットです。さらに、オンライン診療を取り入れることは、新しい患者層の獲得や集患効果にもつながり、将来の医院経営を支える要素となります。

オンライン診療システムの選び方と比較ポイント

オンライン診療システムの選び方と比較ポイント

オンライン診療システムは、患者さんと医院の双方に利便性と満足度をもたらす重要な仕組みですが、導入後は長く使い続けることになるため、導入前にしっかりと基準を定めて検討する必要があります。本章では、判断材料となる選び方や比較のポイントについて詳しく解説します。

操作性と患者さんの使いやすさ

オンライン診療の利用継続率を高めるためには、患者さんが迷わず利用できる操作性が欠かせません。予約から診察、決済までの流れがスムーズで、画面表示が直感的で高齢の方でも扱いやすい設計であることが重要です。また、スマートフォンやPCなど幅広い端末に対応しているかもチェックポイントです。

機能面(予約・決済・電子カルテ連携など)

システム選びでは機能面の充実度も大切な判断基準です。例えば、オンライン予約やキャンセル管理、クレジットカードやQRコード決済などの多様な支払い方法への対応は、患者さんの利便性を高めます。さらに、電子カルテやレセコンとのスムーズな連携は診療データの一元管理を可能にし、運用効率が向上します。オンライン診療システムの機能は単なる便利さにとどまらず、診療の質を高める要素となります。

セキュリティと法令対応

オンライン診療システムは患者さんの個人情報や診療データを扱うため、セキュリティと法令遵守は優先事項です。通信の暗号化や二段階認証などの基本的な安全対策に加え、医療情報システムの安全管理指針や個人情報保護法に適合しているかの確認が必要です。不安を感じずに利用できるかどうかは、医院にとっても患者さんにとっても信頼性を左右します。

コストと導入サポート体制

オンライン診療システムの導入には初期費用や月額利用料が発生します。費用相場はシステムによって幅があるため、予算と機能のバランスを見極めることが必要です。また、導入時の設定支援やスタッフへの操作説明、トラブル発生時の迅速なサポート体制が整っているかも重要なポイントです。長期的に信頼して利用するためには、単に費用の安さだけでなく、サポートの質や運用面での負担軽減を含めて総合的に検討しましょう。

医院におすすめのオンライン診療システム

医院におすすめのオンライン診療システム

オンライン診療システムと一口にいっても、クリニックの規模や診療科によって求められる機能は異なります。本章では、小規模クリニックと中規模~総合クリニックに分けて、それぞれに適したタイプを紹介します。自院の診療体制や患者層を踏まえ、適切なシステム選びの参考にしてください。

小規模クリニックに適したシンプル型

小規模クリニックでは、導入コストを抑えつつ基本的な機能を備えたシステムが適しています。予約管理やビデオ通話、決済などの必要な機能があれば、患者さんの利便性を確保できます。シンプルな操作性のシステムを選ぶことで、スタッフの負担も軽減でき、日常診療にスムーズに取り入れられます。

中規模~総合クリニック向けの多機能型

診療科目が多い、または患者数が多いクリニックでは、多機能型システムが適しています。電子カルテやレセコンとの連携、処方箋データの薬局送信、複数医師の同時利用など、業務効率化に直結する機能が求められます。予約や会計を一元管理できるタイプを導入すれば、院内業務の効率化と患者満足度の向上を同時に実現できます。

オンライン診療システムを紹介

オンライン診療システムは数多くの企業から提供されており、それぞれ機能や導入コスト、サポート体制に特徴があります。本章では、クリニックや医療機関で実績のある代表的な10社を取り上げます。自院の規模や診療方針に合ったシステムを比較、検討する際の参考にしてください。

CLINICS|株式会社メドレー

株式会社メドレーは、医療やヘルスケア分野に特化したインターネットサービスを展開する企業です。CLINICSは、医療機関の業務効率改善と患者さんの利便性向上を目的としており、オンライン診療の普及を推進しています。Web予約やWeb問診、オンライン診療、電子カルテなどを統合的に提供しているため、それぞれ個別にシステムを導入する手間がかかりません。導入後は、専任スタッフによるサポートを受けられるため、スムーズな運用が可能です。幅広い診療科目に対応していることから、オンライン診療を導入したい多くのクリニックに適しています。

CURON|株式会社MICIN

CURON|株式会社MICIN
引用元:https://curon.co/

株式会社MICINが提供するcuron(クロン)は、オンライン診療に必要な機能をワンストップで提供するシステムです。オンライン診療は、スマートフォンやPCのアプリを通じて行うことができ、スムーズな診療体験をサポートします。予約から決済、処方薬の配送手配まで、一連の流れをシステム上で完結できる点が特徴です。初期費用と月額利用料が無料なため、導入のハードルが低いことも魅力でしょう。クリニックの業務フローに合わせて設定や運用サポートを受けられるため、オンライン診療を初めて導入するクリニックにおすすめです。

SOKUYAKU|ジェイフロンティア株式会社

ジェイフロンティア株式会社が提供するSOKUYAKUは、オンライン診療からオンライン服薬指導、処方薬の受け取りまでを一気通貫で完結できるサービスです。早ければ即日中に処方薬の発送を行っているのが大きな特徴です。予約や問診、決済もアプリ上で完了できるため、患者さんの利便性が高く、通院時間の削減や院内感染リスクの軽減につながります。また、電話やメールでのサポート体制も整っており、急を要する症状で早めの診療を希望する患者さんを抱えるクリニックにも適しています。クリニックのオンライン診療をスムーズに導入できるよう、専任スタッフによるきめ細かな支援も提供されています。

YaDoc|株式会社インテグリティ・ヘルスケア

株式会社インテグリティ・ヘルスケアが提供するYaDocは、かかりつけ医向けのオンライン診療システムです。慢性疾患の診療に特化しており、患者さんの生活習慣やバイタルデータなどを可視化できるモニタリング機能を備えています。これにより、医師は患者さんの日常の変化を把握し、診療の質を高めることができます。また、ビデオ通話やメッセージ機能、カスタマイズ可能な問診機能なども搭載されており、導入から運用まで、専任の担当者がサポートしています。慢性疾患の患者さんが多く、継続的な治療管理を重視するクリニックにおすすめの一台といえるでしょう。

CARADAオンライン診療|株式会社カラダメディカ

株式会社カラダメディカは、医療やヘルスケアに関するQ&Aサイト、CARADA健康相談の運営を行う企業です。Q&Aサイトの運営経験を活かし、患者さんと医師の双方にとって使いやすいオンライン診療システムを開発し、提供しています。予約から処方薬、処方箋の配送までオンラインで完結できる点が特徴です。また、エムティーアイグループの電子カルテなど、ほかのシステムとの連携も予定されており、業務効率のさらなる改善が期待されます。導入後は、定期的な訪問や電話やメールでのサポートが受けられます。

ポケットドクター|MRT株式会社

MRT株式会社は、医療人材紹介サービスを主軸に展開する企業で、医師のネットワークを強みとしています。ポケットドクターは、オンライン診療から処方箋や薬の配送までを可能にするサービスです。画像や映像に赤ペンで印をつけられる遠隔指示機能や、ヘルスケア機器とのデータ連携機能など、診察の質を高める独自機能が特徴です。患者さん向けの無料サポート窓口が設けられており、操作案内をクリニック側が行う必要がありません。「オンライン診療を導入したいけれど、患者さんへの案内やサポートに不安がある…」といったクリニックにおすすめです。

PiCls On診|株式会社ファインデックス

株式会社ファインデックスは、東京大学医学部附属病院の指導を受けて、大規模病院向けのオンライン診療システムを開発しました。市販のビデオ通話ツールとは異なり、電子カルテと連携し、院内と同水準の診療をクラウド上で行える点が特徴です。オンラインで待機する患者さんを順番に診察できる機能は、大規模病院の多くの診療科や診察室の管理に適しています。予約から診察、会計、薬の受け取りまでをシームレスに実現し、患者さんの受診時間短縮や感染リスク軽減に貢献します。院内の待合室のようにオンラインで患者さんを管理できるため、効率的な診療フローを構築したいクリニックに適しています。

KAITOS|東邦薬品株式会社

東邦薬品株式会社は、医薬品や医療機器の提供から開業支援まで、医療トータルサポートを幅広く展開している企業です。同社が提供するオンライン診療システムKAITOSは、医療機関や薬局の運用に合わせて柔軟にカスタマイズできる点が特徴です。予約方法や問診票の設定を自由に変えられ、FAXでの予約通知にも対応しています。また、医療機関と薬局間でデータ連携が可能で、患者さんはオンライン診療を予約する際に薬局も選択できます。導入後は、日頃から医療機関を訪問するMS(マーケティング・スペシャリスト)に加え、専門部署やコールセンターによるサポートが受けられます。

MeDaCa PRO|メディカルデータカード株式会社

メディカルデータカード株式会社は、患者さんと医療機関をデジタルでつなぐプラットフォームサービスを提供しています。同社が開発したMeDaCa PROは、オンライン診療に加え、患者さんがスマートフォンで検査結果をいつでも確認できる点が特徴です。医師の説明時間を短縮し、患者さんの理解度や信頼感も高まり、電話対応頻度の低減や再診率の向上が期待できます。無料お試し期間も設けられており、導入のハードルが低いサービスで、オンライン診療をまずは試したいというクリニックに適しています。

HOSPITAL SUPPORT|株式会社くすりの窓口

株式会社くすりの窓口は、350万人以上が利用するお薬手帳アプリなど、患者さんのニーズに寄り添ったサービス開発に強みを持つ企業です。同社が提供するHOSPITAL SUPPORTは、ブラウザ上で完結するため、患者さんがアプリをダウンロードする必要がない点が特徴です。外来診療とオンライン診療の予約を一元管理でき、クレジットカード決済にも対応しています。また、導入後のサポートは専門スタッフが無料で対応するほか、患者さん向けの専用窓口も完備されています。クリニック側の負担を減らし、オンライン診療をスムーズに導入し、運用することができます。

オンライン診療システム導入のメリット

オンライン診療システム導入のメリット

オンライン診療システムの導入は、患者さんにとっての利便性向上だけでなく、医院側の業務効率化や地域医療の強化にも直結します。本章では、具体的なメリットを3つの観点から解説します。

患者満足度の向上と利便性アップ

オンライン診療により、患者さんは自宅や職場からスマートフォンやPCを通じて診察を受けられるようになります。通院の負担が軽減し、待ち時間も短縮されるため、継続的な受診につながりやすい点がメリットといえるでしょう。また、予約や決済がオンライン上で完結できるシステムでは、診察から会計までシームレスに進められるため、患者さんの信頼感や満足度の向上も期待できます。

医院の業務効率化と予約管理の改善

医院側にとっても、オンライン診療は業務効率化の大きな武器となります。予約や問診票をシステム上で一元管理できれば、電話対応や入力作業の負担を軽減することができます。また、電子カルテやレセコンと連携すれば、診療記録の反映や会計処理が自動化され、スタッフの作業時間を削減できます。効率化により、医師やスタッフは患者対応により多くの時間を充てられるようになります。

地域医療・遠隔診療への対応力

オンライン診療システムは、都市部だけでなく地方や過疎地域の医療格差の是正にも貢献します。遠隔地からでも医師の診察を受けられる環境を整えることで、通院が難しい高齢の方や慢性疾患を持つ方の継続治療を支援できます。また、感染症流行時には対面診療のリスクを避けつつ診療を継続できます。オンライン診療の特性は、将来的な医療体制の強化にも直結する重要なポイントです。

まとめ

オンライン診療システムは、患者さんにとって通院負担の軽減や利便性向上につながるだけでなく、医院にとっても業務効率化や診療体制の強化を実現できる重要なツールです。導入にあたっては、費用や機能、サポート体制を比較検討することが欠かせません。本記事で紹介した選び方やおすすめのシステムを参考に、自院の規模や方針に合った仕組みを導入し、安定した医療提供と患者満足度の向上を目指しましょう。